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LEGEND OF GATE8

[358]  森羅  2008-11-12投稿
透は目を疑った……その現れた敵に。先程アーシェ達に対し、自分のことを置いて敵を倒しに行ってくれと言ったのは何も自分のことをほっといてくれということではない。ただ、この世界が大変な目にあっているのなら、先にその敵を倒しに行って自分のことは後にして欲しいと思ったのと同時に、アーシェなら恐らく戻って来るだろうと思ったからだ。 仮にもあのアーサー王と思われる人物、戦いに負けることはないはずだ……透はそう考えていた。
だが、今になって自分が甘い考えをしていたのに気付かされた。
…………黒い塊………いや………黒い形をした人形だろうか……第一印象はそれだった。とりあえず、この世界の敵は『人』ではないということだ。
透「な…何……あれ…?」透は絞りだすような声でアーシェ等に尋ねた。

ベティ「あれは……災厄です……」応えたのはベティだった。その声には若干の怒りがこもっているよう感じられた。
黒い人形ーーーーそれだけなら、ただの変な敵と考えれば怖れを抱くことはないだろう。しかし、透にとって酷く怖れ感じさせられたのは、不気味な外見ではなくその周囲だった。木々や土、果てはその空気さえも……黒だった。黒の中に黒の人形、一見するとなにもいないように思えるかもしれないが、強いて言うなら、街灯のないただ霧がかかった月明かりの真夜中に真っ黒なコートに身を包んだ人物が立っているのに近い雰囲気で、何かいるという存在の確認は出来る感じなのだ。だがそれは、本当に得体の知れない恐ろしさを感じさせた、先程までの木々の緑や隙間からも洩れる空の青さ、そのほとんどが黒一色で統一されたのだ。その異様さは透の足を震わさせた。

ベティ「…大丈夫ですか?……透さん?」ベティの声には先程の怒りはもうなく透を心配するものになっていた。

透「……大丈夫といいたいけど……どうやら無理…みたいかな」透は何とか腰が抜けないように堪えていた。

ベティ「もう少しだけ頑張って下さい、貴方は私が全力で守りますから。……アーシェ様!」ベティは声を荒げた。
ベティ「此処は私が引き受けます。アーシェ様は透さんと城へ!!早く!!」ベティは腰の剣を抜いた。その輝きはまるでこの場のベティそのもののようであった。

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