壊れた脳漿は微笑みを知らない6
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母親を愛したい。
愛されたい。↑
悪魔の館に来た客人の、小林明弘という男の願いである。
年齢16歳。
半年程前から家に引きこもり、学校にも行かなかった。
そんな彼の唯一の理解者が、彼の母親である、小林美和子である。
彼の弱音や愚痴を、母親は真剣に耳を傾けていた。
彼にとって母親は、いわば希望の光である。
しかし、
そのわずかな希望さえも、失ってしまうのである。
母親が病により他界…。
絶望に陥った彼が、このサイトに足を運んだのは早かった。
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母親を愛したい。
愛されたい。↑
小林明弘の純粋な願いは、悪魔の力により、叶えられた。
自宅に帰宅した小林は、母親の遺骨を墓から掘り出し、地下に置いてあるテーブルの上に広げた。
乾いた臭いが部屋中に充満した。
小林がその骨の真上に手をかざした。
すると……。
粉状の骨が再生し始めたのである…。
赤く生々しい肉片が生えてきて、血管が伸び、皮膚ができた。
生前の頃と全く同じ…、そこに母親の姿がある…。
髪の毛一本さえも、彼女のものと解る…。
ただ彼女の意識がない。
笑わないし、怒らない。顔色一つ変えない。
これじゃ死体と同じだ…。
続く
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