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ハーフムーン (21)

[1070]  2008-11-13投稿
「あー気持ちいい…」

ミユキは露天風呂を堪能していた。

「ずぅっと、こうしていたい気分…」

海のそばの岩肌に、もたれかかりながら、ミユキは静かな海をいつまでも眺めていた。



「あ〜ホント気持ちいいねぇ」



突然、背後で声がした。



男の声だ。


ミユキが驚いて振り返ると、いつの間にか一人の若い男が、お湯の中に入っていた。

「ちょーっと!勝手に入って来ないでよ、エッチ!」
ミユキがそう言うと、

「そっちこそ、まだ準備中なのに、勝手に入って来んなよな」

若い男は言い返した。

「それにココ、混浴だから別に文句言われる筋合いねーし」

「あなた誰?」
ミユキが尋ねる。

「俺はマモル。この風呂屋で働いてんだ」

「あなた、このお風呂屋の人なの?」

「ああ。ただのバイトだけどな。いつも営業前の風呂掃除の間に、こうやってお湯につかるのが、俺の楽しみなのさ。…で今日に限って、入ってみたらキミが居たという訳さ。」

「そうだったんだ…それで誰も居なかったんだ」
ミユキが答えた。

「せっかくだから、ゆっくりしていけよ。まだ営業まで1時間以上あっから。オヤッサンもしばらく来ねぇし」
マモルは微笑みながら言った。

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