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一生 シアワセ15

[418]  さきざき ひろ  2008-11-14投稿
その連絡が来てから3日後に会いに行った。日曜日。どうしても、その日しか時間が取れなかったから…。

お昼過ぎに病院に着いた。会うまではいろんな事を考えていた。もちろん、病気の事や父親にとって嫌な話はしないように。

緊張したり、ドキドキしたり…するだろうか!?って思っていたけど、すんなり、普通に…こんにちは的な感じで会っていた。部屋に入った時、少しベッドを起こしていて、何と無く寛いでいる感じの父親がいた。

想像と違って、元気そうに見えた。

僕の頭の中では、凄く衰弱して弱々しい姿。でも、そこに居たのは髪の毛が真っ白で、体格のいい、歳のわりには若い父。元々骨太で筋肉質だったから、そう見えたのかも知れない。

会っていた時間は、ものの30分くらいだった。あまり話は出来なかった。何と無く言葉が出て来なかった。
父親は、自分の病気の事はわかっているはずだったし、どうして僕が会いに来たのかもわかっている…。自分が死ぬ事。

大きくなったなぁ!
父親の最初の言葉だった。

僕は…何してんだ?こんな所で!早く治して頑張らないと駄目だろ!…なんて言っていた。

僕と父親の二人だけにしてもらえていたら、もしかしたら沢山の事を話てたのかも知れない。

今の現状の話をした。会社の事や…あなたの子供が、高校時代部活のキャプテンや生徒会長までした事。

僕がもし、父親の立場だったら…多分、嬉しく思ってくれると思ったから。

母の事も話をした。亡くなった事。

母は気が強かった。外見では。それに、真面目だった。だから、僕をきちんと育ててくれたんだと思う。

父親は、そんな母を好きだったはず。たまたま、何かの拍子で離婚になってしまったんじぁないかな。二人の性格を考えると、そう感じた。

別れてから、父も母も結婚はしていない。僕は、片親にコンプレックスがあったし、母の仕事で苦労している姿は見たくなかったから、父親になってくれる人がいたら許せた。

でも、二人とも…。

何の為の離婚?今でもそう思ってる。

昼過ぎに着いて、まだご飯を食べていなかったので、ちょっと食べに行ってくるから…と父親に言って、…早く来いよ!と言われて、病院を出た。

その後、行かなかった。
親戚の人から、ありがとうと言われて…
でも、約束して来たのに帰っていいのかと思っていたけど。

…それから3日後、亡くなった。

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