Powder Snow(3)
モネはそう思いながら、
「とにかく急いで帰ります」
と言って電話を切った。そして、前を背の高い男性が上って行っている歩道橋の階段を、モネも上っていった。
「ねぇ。ヒョヌ。どうしてこんな田舎にマンションを買ったの?」
「うん。この町はね、前に来てスゴく気に入っていたからね。それに全くのプライベート空間は、好きな場所でのんびりと思ってさ」
幼なじみのチヒョンの質問に穏やかに答えたのは、部屋が6室、リビング、ダイニング、バスにトイレ、ベランダが10畳はあろうかという豪華なマンションの持ち主、キム・ヒョヌである。
「でも、こんな田舎じゃなくても...。東京とかだったら仕事をするのにも都合がいいし、それに、お洒落なお店なんかもたくさんあるのに」
なおも言い募るチヒョンに、
「まぁ、まぁ、いいじゃないか。何と言っても持ち主はヒョヌなんだし、ヒョヌが良けりゃ、せれでいいんじゃないか。それにさっき、この町、回って来たけど、田舎の割には、それなりに洒落てるよ」
と、助け舟を出したのは、ヒョヌとチヒョンの友達、チニである。
「それより、わずか29歳にして、こんな贅沢なマンションを手に入れたヒョヌに乾杯。お祝いしよう」
「お、お祝い?」
ヒョヌは、これがめでたいことかというような声で言った。
「そうお祝い。そうそういないぜ。20代でこれだけのマンション、しかも外国に持てるヤツなんて」
「あ、私もそれはそう思う」
チヒョンもその意見には賛成と明るい声で言った。
「で、どうするの? 今からどっか食べにでも行く?」
ヒョヌの言葉に、
「そんな勿体無い。食材買って来てここで料理したらいいじゃないか。何たって、ヒョヌの料理の腕前はプロ級だし」
「え、今から? おいおい、この荷物見てくれよ。これ、片付けないと、とてもお祝いなんて雰囲気にはならないよ」
『何で祝われる僕が料理するの?』
と思いつつヒョヌが言った。それにヒョヌの言う通り、部屋にはダンボール箱が幾つも積まれている。
「じゃ、他の部屋で...」
なおも食い下がるチニに、
「他の部屋もこことそう変わらないよ。とにかく、一部屋何とかするから、ここでするなら、明日にしないかい?」
何となく疲れたような顔つきでヒョヌが言った。
「とにかく急いで帰ります」
と言って電話を切った。そして、前を背の高い男性が上って行っている歩道橋の階段を、モネも上っていった。
「ねぇ。ヒョヌ。どうしてこんな田舎にマンションを買ったの?」
「うん。この町はね、前に来てスゴく気に入っていたからね。それに全くのプライベート空間は、好きな場所でのんびりと思ってさ」
幼なじみのチヒョンの質問に穏やかに答えたのは、部屋が6室、リビング、ダイニング、バスにトイレ、ベランダが10畳はあろうかという豪華なマンションの持ち主、キム・ヒョヌである。
「でも、こんな田舎じゃなくても...。東京とかだったら仕事をするのにも都合がいいし、それに、お洒落なお店なんかもたくさんあるのに」
なおも言い募るチヒョンに、
「まぁ、まぁ、いいじゃないか。何と言っても持ち主はヒョヌなんだし、ヒョヌが良けりゃ、せれでいいんじゃないか。それにさっき、この町、回って来たけど、田舎の割には、それなりに洒落てるよ」
と、助け舟を出したのは、ヒョヌとチヒョンの友達、チニである。
「それより、わずか29歳にして、こんな贅沢なマンションを手に入れたヒョヌに乾杯。お祝いしよう」
「お、お祝い?」
ヒョヌは、これがめでたいことかというような声で言った。
「そうお祝い。そうそういないぜ。20代でこれだけのマンション、しかも外国に持てるヤツなんて」
「あ、私もそれはそう思う」
チヒョンもその意見には賛成と明るい声で言った。
「で、どうするの? 今からどっか食べにでも行く?」
ヒョヌの言葉に、
「そんな勿体無い。食材買って来てここで料理したらいいじゃないか。何たって、ヒョヌの料理の腕前はプロ級だし」
「え、今から? おいおい、この荷物見てくれよ。これ、片付けないと、とてもお祝いなんて雰囲気にはならないよ」
『何で祝われる僕が料理するの?』
と思いつつヒョヌが言った。それにヒョヌの言う通り、部屋にはダンボール箱が幾つも積まれている。
「じゃ、他の部屋で...」
なおも食い下がるチニに、
「他の部屋もこことそう変わらないよ。とにかく、一部屋何とかするから、ここでするなら、明日にしないかい?」
何となく疲れたような顔つきでヒョヌが言った。
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