エリザベスドール
アースルの顔を見つめたまま、涙を流すジーナ。
ゆっくりと、消滅していった。
シーンと、辺りは静けさを取り戻した。
「セディ婆、娘は?」
ずっと厳しい表情だったセディの顔がほころんだ。
「安心おし。神の元へ行った」
「そうか」
安堵するアースル。
近くのガラス棚の上に飾ってある写真立てに視線をやった。
アースルとサラー、ジーナの3人の家族写真が入っているのだ。
亡き愛妻・サラーを見つめる。
「妻よ…、娘を頼む」
セディが話しかけて来た。
「人形は、どうする?」
「引き取って、焼却するつもりだよ」
「その方がイイ」
「これで、全てが終わったか」
アースルの安堵の表情とは正反対に、セディは表情を曇らせた。
「だとイイんだが…」
────────
同じ頃…
警部モグレ・ルワッソは1人、国立スーツ大学・4号研究棟に足を運んでいた。
第2資料保管室で、同校・助教授ヒース・ローデンとの打ち合わせが終了して、一息付く。
打ち合わせを済ませたヒースは部屋を出る。
エリザベス人形に関する研究と調査が終わり次第、人形をアースルに返却する事を約束したのだ。
警察特殊部隊の砲撃を受け、バラバラに砕け散ったエリザベス…
破片は全て回収された今は、この部屋の片隅に置かれたガラスケースの中。
底板一杯に敷き詰められた脱脂綿の上に、元の形通りに並べられている。
部屋に1人残ったモグレ…
ケースの傍に歩み寄り、中の人形をまじまじと見入った。
破片1つ1つをジックリと見ても…
やはり、単なる作り物にしか見えない。
作り物なのに…
まるで生きているかのように、不気味に動き回っていた光景が今でも目に浮かぶ。
ゆっくりと、消滅していった。
シーンと、辺りは静けさを取り戻した。
「セディ婆、娘は?」
ずっと厳しい表情だったセディの顔がほころんだ。
「安心おし。神の元へ行った」
「そうか」
安堵するアースル。
近くのガラス棚の上に飾ってある写真立てに視線をやった。
アースルとサラー、ジーナの3人の家族写真が入っているのだ。
亡き愛妻・サラーを見つめる。
「妻よ…、娘を頼む」
セディが話しかけて来た。
「人形は、どうする?」
「引き取って、焼却するつもりだよ」
「その方がイイ」
「これで、全てが終わったか」
アースルの安堵の表情とは正反対に、セディは表情を曇らせた。
「だとイイんだが…」
────────
同じ頃…
警部モグレ・ルワッソは1人、国立スーツ大学・4号研究棟に足を運んでいた。
第2資料保管室で、同校・助教授ヒース・ローデンとの打ち合わせが終了して、一息付く。
打ち合わせを済ませたヒースは部屋を出る。
エリザベス人形に関する研究と調査が終わり次第、人形をアースルに返却する事を約束したのだ。
警察特殊部隊の砲撃を受け、バラバラに砕け散ったエリザベス…
破片は全て回収された今は、この部屋の片隅に置かれたガラスケースの中。
底板一杯に敷き詰められた脱脂綿の上に、元の形通りに並べられている。
部屋に1人残ったモグレ…
ケースの傍に歩み寄り、中の人形をまじまじと見入った。
破片1つ1つをジックリと見ても…
やはり、単なる作り物にしか見えない。
作り物なのに…
まるで生きているかのように、不気味に動き回っていた光景が今でも目に浮かぶ。
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