零姫アリス
「アリス、愛しているよ」
ええ、わかっているわ。
ねえ、だからお願い。
「私を…助けて」
まだ死にたくないの。
「………くく。いいよ?僕にアリスの全てをくれのるなら」
*
「ひーめ!一緒に帰ろうぜ!」
「あ、たーくん!いいよ、一緒に帰ろっ!」
僕、一零 姫(いちぜろ ひめ)(雌)は今日もいつも通り、実に平凡な日々を過ごしていた。
その隣には当たり前のように彼女の友人、牙柳 龍鬼(がりゅう たつき)(雄)がいて。
「……んん?」
ただ、少しだけ、嫌な予感がしただけで。
「姫?どうした?」
「………ん。なーんにもないよん」
「そっか。…うし、クレープ食ってくか!」
「!ほっほんと!?流石たーくん!大好きぃっ!」
「おうおう、俺も姫がだぁいすきだぞ!」
「えへえへ!クレープー!たーくん早く行こっ?」
「おあ、ちょ、ひっぱんなって姫!」
こんな日常がいつまでも続いていても、良かったのに。
ほんと、神様って残酷だよね。
「…………たーくん」
「ん?」
「ずっと傍に、いてくれる?」
「…は、当たり前じゃねえか」
「…………」
嘘吐き。
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