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かなしい。

[509]  たまき。  2008-11-19投稿

泣き叫ぶ幼子。
耳に響く慟哭。
私は。
動くことも考えることもできずに。
ただそこに座っていた。

――忘れられない彼女の悲鳴。
引き裂かれ、押し退けられて。
ボロボロに傷ついて。
それでも立っていられたのは。
まだそこに揺るぎない信念があったから。
醜くてもとにかく生きてた。
その一番大事にしてきた思いまで折られたら。
一体誰が耐えられるというのだろう。

私の、せいか……。

見捨てたから。

そうしないと私の精神がもたないと思った。
私は「私」を守るために。
「彼女」という犠牲を払った。

ねぇごめんね。
ごめんね。
ごめんね……。

傷つけるつもりはなかったんだ。

月のように白いその顔を伝う涙を。
見たいと思ったことなんて一度もなかったんだ……。

だけどあなたは。
きっと私を恨むんだろうね。
いつまでもいつまでも避け続けて。
私への憎しみを膨らませて。
そうすることで生き甲斐を感じて。
生きていくんだろうね。

どうしてこんなことになっちゃったのかな。

何がいけなかったんだろう。
どこからが「間違い」なんだろう。

神様。
間違った所からやり直しすることができたなら。
私があの子を傷つけることはなかったんでしょうか。

泣かせることもなかったんでしょうか……。

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