携帯小説!(PC版)

哀しみ

[324]  キイトイ  2008-11-20投稿
哀しみを遮る光が、眩しく彼らを照らした



あなたは私でなく


私はあなたでなくて


雨の激しく降る静けさの中、

ただ彼はうつむいた


真実を嘘で固めて


見えない暗闇に

傘もささずに走り去る



雨の激しく降る静けさの中、

ただ彼は顔を上げた


真実を知りたくて…


見えない暗闇に

傘をさして歩いていく


戻れないのに、 誰かを傷付けて

わかっているのに、自分を傷付けて

痛みをわかり合えないままの二つの影


時は過ぎて、同じ痛み重ねた


哀しみを遮る光が、眩しく彼を照らした


でも、もう戻れなくて


あの時と同じ、雨の激しく降るその静けさの中に


虹を見ることなく


未来、見ることなく


二つの影は


重なり消えた



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