携帯小説!(PC版)

トップページ >> SF >> 星の蒼さは 133

星の蒼さは 133

[633]  金太郎  2008-11-23投稿
「イヤッ!ハル!!」

「アキ!」

二ノ宮は突然アキの腕を掴むと、無理矢理引き寄せた。

「ほらほら、暴れると危ないぞ。お嬢ちゃん」

暴れるアキを押さえつけ、二ノ宮は腰から拳銃を取り出した。

「吟次、彼女から離れろ!」

狩野が銃を一発放ったが、二ノ宮はそれを拳銃で弾いた。

「ハッ!悪いな京一。遊んでる暇なんかねえ。」

二ノ宮は拳銃を撃って狩野を牽制すると、アキを抱えてWW【蟒丸(ウワバミマル)】に飛び乗った。

「待て!」

狩野はもう一度拳銃の引き金を引いたが、ガチガチと虚しい弾切れの音が響いただけだった。

「ハッハッハ!弾数くらいは頭に入れて撃てよ」

そう笑うと、二ノ宮は拳銃の引き金を引いた。

弾丸は狩野の右肩を掠め、彼の皮膚を焼いた。


「ぐぅ」呻き、肩を押さえて蹲った狩野を見て、二ノ宮は笑った。

「放して!」

アキは思い切り二ノ宮の腕に噛み付いたが二ノ宮は全く意に介さず、羽交い締めにした左腕に力を込めた。

苦しさに顔を染めたアキを見ても、ハルはただ彼女の名前を叫ぶしかなかった。

「あばよ。地球の諸君。笑っちまう位に何もかもが計画通り!………陳腐な言い回しで恐縮だが、“全てが終わり、全てが始まる”。新しい世界の到来を震えながら待ってろ」

二ノ宮は天からの喝采を受けるかのように銃を持った右手を広げ、アキと共に、蟒丸のコクピットに消えていった。

コクピットが閉まると同時に蟒丸の瞳に光が灯り、蒸気を吹いた鉄の巨人がブースターを点火させた。

連れて行かれてしまう。

アキのあの弾けるような笑顔がもう見れなくなる。

そこに凄まじい恐怖を感じたハルは、足元の石に躓きながら蟒丸に駆け寄り、その足にしがみ付いた。

しかし、

「バカ野郎!」

と、後ろから走ってきた狩野に組み付かれ、無理矢理引き剥がされてしまった。


「どうして止めるんです!?」

「バカ!ブースターに焼き殺されたいのか!!」


次の瞬間、蟒丸はブースターを吹かし、天井の大穴から飛び出した。

アキを乗せたWW【蟒丸】は一瞬で夜の闇に消えていった。

感想

感想はありません。

「 金太郎 」の携帯小説

SFの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス