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桜の木とともに 本編?

[204]  キョウスケ  2008-11-23投稿
私が見舞いに行くと、辛そうな身体を起こして、
「ゴメンね。何度も来てくれて」
謝る桜に私は、
「いいから寝てて。今は元気になるまで、ゆっくり身体を休める事が桜の仕事だよ」
「うん。私、大和君が傍にいてくれて、本当に嬉しい」
「桜に負けないように、俺もしっかり勉強するから、一緒に高校行こうな?」
指切りをすると、
「私も早く身体治すから、学校で待っててね」
精一杯の声で答える桜に、「学校だけじゃなくて、俺ん家でも待ってるからな」追加注文のように言う私に、「うん」とだけ頷くと、静かに寝始めた。
彼女の家を出る時、母親の美由紀さんに、
「本当に、いつもありがとう大和君」
私にお辞儀をするが、
「いいえ、桜はすぐに元気になって、いつものように桜の木の下で遊べます。だから、おばさんもしっかりして下さい。じゃないと、桜だって元気になりませんよ?」
励ます私に、
「大和君のような人に会えて、桜は幸せね」
親の心の痛みは、私には理解できないだろうが、その痛みも、自分が受けとめなければ誰もいない事ぐらい、当時の私はわかっていた。
次の日、桜は昨日のダウンもなかったように、学校に来ていた。

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