桜の木とともに 本編22
最後の両家の写真の時、桜は私の腕を組み笑顔で、
「今日はありがとう、大和君」
そして我が家と野崎家の、桜の木の下で撮る、最初で最後の写真が撮られた。
季節は再び、あの桜の花びらが舞う時期に近づいていた。
その写真が何処に行ったのか、ずっと捜し回っていたのだが、春樹が見つけるまで、なぜここにあったのか、私は疑問に思っていた。桜の字で書いてあった手紙と、共にあった写真は、当時の私達の関係が、如何に良かったかを見せるには十分であった。
他にも何かあるのでは?と思い探してはみたが、特にはなかった。私は手紙を書いた桜の文字の、「宝物」という言葉に、引っ掛かりを感じていた。私自身、彼女にあげた物は沢山あるが、一体何が宝物なのか?と考えてもわからなかった。プレゼントの中で、桜が凄く喜んでくれた物がある。それは高校の時に、彼女の誕生日にバイト代を全て使った、記憶に残る品物であった。
高校に進学してからも、桜の身体は日に日に弱くなっていた。
だが、桜が入院しているとまでは知らず、クラスの連中から聞かされた私は、授業そっちのけで、病院に向かった。
「今日はありがとう、大和君」
そして我が家と野崎家の、桜の木の下で撮る、最初で最後の写真が撮られた。
季節は再び、あの桜の花びらが舞う時期に近づいていた。
その写真が何処に行ったのか、ずっと捜し回っていたのだが、春樹が見つけるまで、なぜここにあったのか、私は疑問に思っていた。桜の字で書いてあった手紙と、共にあった写真は、当時の私達の関係が、如何に良かったかを見せるには十分であった。
他にも何かあるのでは?と思い探してはみたが、特にはなかった。私は手紙を書いた桜の文字の、「宝物」という言葉に、引っ掛かりを感じていた。私自身、彼女にあげた物は沢山あるが、一体何が宝物なのか?と考えてもわからなかった。プレゼントの中で、桜が凄く喜んでくれた物がある。それは高校の時に、彼女の誕生日にバイト代を全て使った、記憶に残る品物であった。
高校に進学してからも、桜の身体は日に日に弱くなっていた。
だが、桜が入院しているとまでは知らず、クラスの連中から聞かされた私は、授業そっちのけで、病院に向かった。
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