気まぐれの代償?
「本当に引き受けて良かったんですか?また警察から目を付けられますよ」
革張りの豪奢に椅子に身を預けた二ノ宮に後ろから声が掛かった。
二ノ宮がゆっくりと振り返る。立っていたのは、眉目秀麗な青年であった。
「小林少年・・・人生とは不可解なものなのだよ」
二ノ宮は大きく息を吐いて言った。「まぁ、先生が良いなら構いませんが・・・それと、何度も言いますが私は小林少年ではなく、小田林麗です」
呆れたように青年は返す。彼は、ひょんなことから二ノ宮の事務所で働くようになった中国と日本のハーフである。二ノ宮はどうも明智小五郎に憧れているらしく、彼を小林少年と呼んでいた。
「まぁ、警察が怖かったらこの商売はできないし、敵にまわすのも一興だよ」
二ノ宮はおどけた表情で言った。そこにはどこか革命者的な経路を小田は感じた。
「そんなこと言えるのは先生だけですよ。」
「それは違うな小林君。人間とはもっと自由であるべき存在だ。君たちは簡単に考えすぎる。善が有って悪があるわけだが、警察だから間違いを起こしてはいけない。と考えてしまう。それは結局は上から目線であり、他人ごとなんだ。仮に私のところに強盗が入ったとしても、殺されたとしても私は責めはしない。ただし、それは自分の命を賭けた場合だけどね。」
「目には目を歯には歯をですか」
「それも違うな、それも法律であり、一種の逃げだと解している」
「じゃあ、先生は何が正しいと思っているのですか?」
「正しいことはこの世に一つ。非常にシンプルではあるが非常に難しい、自分の心に従うことだ。私はいつもそうしている」
二ノ宮は不敵に微笑んだ。
革張りの豪奢に椅子に身を預けた二ノ宮に後ろから声が掛かった。
二ノ宮がゆっくりと振り返る。立っていたのは、眉目秀麗な青年であった。
「小林少年・・・人生とは不可解なものなのだよ」
二ノ宮は大きく息を吐いて言った。「まぁ、先生が良いなら構いませんが・・・それと、何度も言いますが私は小林少年ではなく、小田林麗です」
呆れたように青年は返す。彼は、ひょんなことから二ノ宮の事務所で働くようになった中国と日本のハーフである。二ノ宮はどうも明智小五郎に憧れているらしく、彼を小林少年と呼んでいた。
「まぁ、警察が怖かったらこの商売はできないし、敵にまわすのも一興だよ」
二ノ宮はおどけた表情で言った。そこにはどこか革命者的な経路を小田は感じた。
「そんなこと言えるのは先生だけですよ。」
「それは違うな小林君。人間とはもっと自由であるべき存在だ。君たちは簡単に考えすぎる。善が有って悪があるわけだが、警察だから間違いを起こしてはいけない。と考えてしまう。それは結局は上から目線であり、他人ごとなんだ。仮に私のところに強盗が入ったとしても、殺されたとしても私は責めはしない。ただし、それは自分の命を賭けた場合だけどね。」
「目には目を歯には歯をですか」
「それも違うな、それも法律であり、一種の逃げだと解している」
「じゃあ、先生は何が正しいと思っているのですか?」
「正しいことはこの世に一つ。非常にシンプルではあるが非常に難しい、自分の心に従うことだ。私はいつもそうしている」
二ノ宮は不敵に微笑んだ。
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