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一生 シアワセ23

[469]  さきざき ひろ  2008-11-28投稿
上の子は、何が起きたのかわかっていた。だから、お爺ちゃんを見てすぐ二階に駆けて行った。
納得したく無かったんだろうと思う。
下の子はまだその状況がわからないから、その点ではホッとしていた。

僕は凄く冷静だった。
3回目だから?
泣いてなんかいられない。葬儀までいろんな事をしなくちゃいけないし、弱い所を見せてちゃいけない…。

近所の人達に助けられて、順調に葬儀は終わった。これから、お爺ちゃんの抜けた家族で暮らして行かないといけない。今までのようにはいかない事はわかってる。

出来るだけ早く帰って…。

葬儀が終わって、次の日にお爺ちゃんのいつもの飲み友達が来た。
すぐ近くだからいつも来るんだけど、…僕も気を許せる人。

お爺ちゃんに焼酎を持って来て、僕も付き合って飲み交した。
お爺ちゃんが娘の結婚が決まって、僕が一緒に暮らす事をとても喜んでくれてた事や、僕を凄く誉めていた事、孫が凄く可愛いくて、毎日楽しみに家に帰ってくる事とか沢山話してくれた。

そんな頃僕は何をしてたのか…。
人一倍、家族が欲しくて、一緒の時間が恋しかったはずなのに。

酔いもあったのかな…
張り詰めていたものが外れてしまった。

涙が止まらなくなって、本当に大事な人を亡くした悲しみと、後悔と悔しさとが混ざって、人の前なのに泣き崩れてしまった。

お爺ちゃんの友達も一緒に泣いてくれた。
泣かなきゃいけない時は思いっきり泣け!って…
大変だったな!って。

大変なんかじぁない。
悔しかった。情けなかった。
どこまでバカなんだろうと思った。

…それからはなるべく早く帰って、みんなで夕食を食べて、子供達と一緒にお風呂に入って…
そんな生活になっていた。

出来るだけ、お爺ちゃんのしていた事をして、子供達に寂しい思いをさせまいと…。
だから、普通の生活になっていた。普通のシアワセな…。

どうして、このままに進まないんだろう。
やっぱり、罰なのかな…。

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