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奈央と出会えたから。<287>

[513]  麻呂  2008-12-02投稿

ヤ‥ヤキッて‥‥?!



こ‥こわいよ‥‥。


聖人‥‥助けてっっ。



怖くて抵抗するコトも出来なくて、



あたしとユカは、青山さんの後に付いた。



連れていかれた場所は、1階の女子トイレだった。



ここは、普段はあまり利用する人がいないコトから、



よく3年生の先輩達が、煙草を吸ったり、違う目的で利用していた。



思ったとおり、トイレの中は、煙草の煙が充満していて、



あたしは思わずむせ返った。



『成沢ぁ〜。ちょっと出て来いよ。

木下連れて来たんだケドさぁ。』



青山さんが、トイレの個室に向かって言った。



バンッッ――



直ぐに個室のドアが開き、



中から、青山さんと同じ3年生と思われる女のコが出て来た。



背の高さは、ユカと同じ位だと思うけれど、



あたしと同じ位の青山さんと比べると、


やはり頭ひとつ分ほどの差があった。



肩すれすれの長さのベージュ色のボブヘアーに、スレンダーな体型が、



意志の強さを強調していた。



『サオリ、もしかして、そのコ?!

聖人先輩の女って?!』



『あぁ、そうだよ。
ちょうどいいだろ?!コイツら2人に“クサ”さばかせたらサ。』



『マジィ?!

さばかせるのはいいけど、その女、ダセーし。よく聖人先輩の女やってんな。

サオリ、もしかしてギャグじゃねーの?!』



『そう思うだろ?!
あたしも最初はそう思ったんだよ。

でも、マジらしいよ。聖人先輩の女だってのはね。ま、所詮、遊びだとは思うケドさ。』



『ギャハハハハッッ!!ひっでぇ――っっ!!』



青山さんと、その成沢という女の人は、


ヒドい言葉で、あたしを侮辱し始めた。


でも、そんなコトは大して気にならなかった。



聖人とあたしが異色のカップルだなんていう噂は、



陰口という形で、よく耳にしていたから。

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