雪の華?
黒峯に婚約者がいるという話を聞いてから
見るからに元気の無くなった私を心配して
聖夜が外出に連れて行ってくれた。
強制だったけど…
「ι聖夜…あの…」
「黙ってろ…」
手を掴まれ、無理矢理引っ張られ連れて来られた場所で、いきなり着替させられ、今は安楽椅子に座らされている。
大人な雰囲気を持つ綺麗な女の人が、椅子に座っている朱斐の髪を結い上げ、可愛くまとめている。
「出来た…」
数十分後、女の人が、無表情でポツリと言った。
背後で様子を見ていた聖夜がそれを聞いて歓喜の声をあげる。
「おっ♪やっと終わったか?」
朱斐が椅子から立ち上がり、聖夜に正面を向ける。
「ッ///聖夜…」
「──……」
振り向いた朱斐の姿に聖夜は言葉を無くし、見惚れる。
「──……綺麗に…なったな。意外に…」
朱斐は白いレース付きのワンピースドレスを着て、薄化粧と髪を綺麗に結い上げ、誰もが見惚れる美しい姿に変わっていた。
「聖夜///何で…こんな…父様にバレたら…」
「ああ、それは大丈夫…彼女は〈桃実〉って名前で俺の彼女だ」
「Σえっ」
「初め…まして…」
綺麗な顔を少しも崩さす無表情で、聖夜の彼女・桃実が言葉を発する。
「まぁ見た通り腕はあるし、顔も綺麗なのに無愛想が理由で職を転々としてる。それよりデキはどうだ?」
「う・うん…すごく可愛いです。ありがとうございます、桃実(とうみ)さん///」
桃実はコックリうなづき、少し照れていた。
「でも…聖夜彼女いたのね」
「いちゃ悪いか」
「ιそんな事無いけど…でこれからどうするの?」
「そうだな…どこ行きたい?連れて行ってやるよ」
聖夜が元気付けようしてくれていると感じる朱斐は、ハニカムように笑う。
「桃実さんも一緒に遊びに連れて行ってくれませんか?」
朱斐が桃実の手を握り聞くと、桃実は一瞬驚き、すぐ優しい笑顔に変わりうなづいた。
「三人で遊べる場所で楽しい所がいいな…」
「良し!任せとけ!」
その日は桃実さんも一緒に付き合ってくれて、一時でも黒峯を忘れることが出来た…
優しく微笑む綺麗な桃実さんと聖夜に感謝しながら
黒峯を忘れて
次の恋をしようと
心に決めた…
感想
- 1717: 脱字発見ιすみませんm(_ _)m作者 [2011-01-16]
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