ハーフムーン (30)
「い…今からって、そんなの無理に決まってるじゃん!なんも準備してねぇし」
マモルは慌てて言った。
「大丈夫です。手ハズは整えてあります」
男はそう答えた。
そして間髪入れずに、狭い道幅いっぱいもある巨大な空港行きのリムジンバスが、会場に颯爽とやって来た。
「ミユキは大丈夫なのかよ?いきなり出発しちゃっても」
マモルが聞いた。
「アタシは大丈夫…慣れてるし」
ミユキが小さくうなずいた。
「サァー!皆さんでこの若い二人を見送りましょう!では行ってらっしゃい!!」
男がそう叫ぶと、周りから一斉に、無数の紙テープが飛んだ。
二人はバスに、まるで押し込まれるかのように誘導された。
バスの入口でマモルは後ろを振り返り、男に聞いた。
「海外って…行き先は?」
「ミステリーツアーでございます」
その瞬間、バスのドアが閉まった。
バスは二人の貸し切りだった。
運転手は無言で、国際空港めがけてバスを走らせた。
マモルが言う。
「参ったなぁ……俺、バイトの途中なんだけど。オヤッサンに怒られるわ」
「さっきの車の景品といい、この海外旅行といい、何でも急な抽選会だったね」
ミユキは、バスの外の景色を眺めながら言った。
マモルは慌てて言った。
「大丈夫です。手ハズは整えてあります」
男はそう答えた。
そして間髪入れずに、狭い道幅いっぱいもある巨大な空港行きのリムジンバスが、会場に颯爽とやって来た。
「ミユキは大丈夫なのかよ?いきなり出発しちゃっても」
マモルが聞いた。
「アタシは大丈夫…慣れてるし」
ミユキが小さくうなずいた。
「サァー!皆さんでこの若い二人を見送りましょう!では行ってらっしゃい!!」
男がそう叫ぶと、周りから一斉に、無数の紙テープが飛んだ。
二人はバスに、まるで押し込まれるかのように誘導された。
バスの入口でマモルは後ろを振り返り、男に聞いた。
「海外って…行き先は?」
「ミステリーツアーでございます」
その瞬間、バスのドアが閉まった。
バスは二人の貸し切りだった。
運転手は無言で、国際空港めがけてバスを走らせた。
マモルが言う。
「参ったなぁ……俺、バイトの途中なんだけど。オヤッサンに怒られるわ」
「さっきの車の景品といい、この海外旅行といい、何でも急な抽選会だったね」
ミユキは、バスの外の景色を眺めながら言った。
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