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ギャグ・クエスト3

[441]  雛祭パペ彦  2006-06-21投稿
「船に乗せてください」
 勇者が言った。
「すまねえが、今は無理だ」
 カマンベール号の船長は、浮かない顔で答える。
「なぜ、無理なんですか? お腹が痛いんですか?」
 船がないと、勇者たちは、海の向こうにある大陸に行くことができないのだ。
「…実はな、3日前におれの娘が誘拐されたんだ。だから、もう心配で心配で、とても船なんか」
「では、身代金の要求が?」
 興奮気味の戦士が、たずねる。
「ああ。だが、100億Gなんて、とてもじゃないが払えねぇ。もう、おしまいだ」
 そう嘆いて、船長は頭を抱える。
「どうやら出番のようですね」
 僧侶が、杖を威勢よく振り回して言った。
「おお! あんたたちが、娘を助けてくれるのか?」
「ええ、まかせてください。その代わり、無事に救出できたあかつきには…」
「も、もちろん、船に乗せてやる…いや、喜んで乗せさせすせさせていただきます!」
「交渉成立ですね。じゃあ、さっそく身代金の受け渡し場所を教えてください。代わりに僕たちが行って、犯人をブン殴ってきますので」
 みんな、ヤル気満々である。
「よし、わかった。身代金の受け渡し場所は、あそこだ」
 そう言って船長が指差した先には、大きな建物があった。海沿いに建っている。
「たくさん煙突がありますけど、何かの工場ですか?」
「違うよ。あれは原子力発電所だよ」
 船長が、希望に満ちた明るい表情で答えた。
「勘弁してください」
 勇者たちの表情が、瞬時に青ざめる。
「なんで原発なんですか?」
 ガクガク震えながら、魔法使いの少女が聞いた。
「おれに言われてもなあー」
 船長は、とぼけてみせる。
「あのう、放射能は大丈夫なんでしょうか?」
「心配なら、道具屋で毒消し草を買っていくといい」
 真顔で、船長がアドバイスをする。
「毒消し草で、放射能が消えるんですか?」
「たぶん、消えないだろうなあ」
 船長が、しみじみと言ってみせた。
「えぇぇ!?」
 その日、勇者たちは道具屋へ行って「海パン」と「ビキニ」を購入した。

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