ロストクロニクル4―3
こんな人が村長ですって?
シャープはパッドが村長だということを鼻から信じてなかった。
「あのー村長さんがどうしてこんな森の中にいるんですか?」
パッドがよくぞ聞いてくれたと言わんばかりの満面の笑みで答えた。
「村長なんてやめてくれ、パッドでいい。実はな、俺のせがれが友達と旅に出てな、まぁ、それに刺激されたって感じだな」
シャープは息子の顔が見てみたくなった。
「それに・・・」
急に真剣でもの静かな口調になった。今までの雰囲気とはまるで違っていた。
「オーケスのムシ討伐隊の件があるからな」
「オーケスのムシ討伐隊に何かあったんですか?」
「ああ、大きなサソリに全滅させられたらしい」
驚いた。まさか、ムシ討伐隊がやられるなんて・・・
「ミイラ取りがミイラになっちゃったってことですか?」
「まぁ、そんなところだな。だから、国王か誰かに聞きに行こうと思った訳だ」
ムシ討伐隊を倒す程の強力な力を持つモンスターが本当にいるのだとしたら、それは、とてつもなく恐ろしいことだわ。
「そろそろ行こうか。こんなところでお話していても何も始まらない」
パッドは立ち上がるとゆっくりと伸びをした。
「えっ?一緒に?」
「もちろん、一人は危険だ。それに、偶然にも目的地は一緒だしな」
パッドが言うことにも一理あるので、オーケスに着くまでは行動を共にすることにした。
この湖を見るのは何度目だろうか。
「あ、あのーわたしたちなんだか迷ってません?」
「なんだ、今さら気付いたのか」
「そんなー」
「まぁ、気楽に行こう」
「ザワザワザワ」
「何で・・・」
「静かにしろ!」
シャープが自分を諭す様に口元に人差し指を当てた。
木々が次々となぎ倒されている。
シャープはパニックになりそうになった。
「姿の見えない敵に動揺するのは分かる。だが、落ち着け、深く、ゆっくり深呼吸するんだ」
パッドがシャープに指導するように声を掛けた。
言われた通りにすると、少し気分が楽になった。
「何ですか。これ」
「さぁ、だが、気を抜くな。いつ襲いかかって来るか分からないからな」
今、その姿の見えない敵は木々の後ろからシャープたちの周りを囲むようにして回っている。
パッドの目には、木々の後ろにあるひとつの大きな影が映った。
シャープはパッドが村長だということを鼻から信じてなかった。
「あのー村長さんがどうしてこんな森の中にいるんですか?」
パッドがよくぞ聞いてくれたと言わんばかりの満面の笑みで答えた。
「村長なんてやめてくれ、パッドでいい。実はな、俺のせがれが友達と旅に出てな、まぁ、それに刺激されたって感じだな」
シャープは息子の顔が見てみたくなった。
「それに・・・」
急に真剣でもの静かな口調になった。今までの雰囲気とはまるで違っていた。
「オーケスのムシ討伐隊の件があるからな」
「オーケスのムシ討伐隊に何かあったんですか?」
「ああ、大きなサソリに全滅させられたらしい」
驚いた。まさか、ムシ討伐隊がやられるなんて・・・
「ミイラ取りがミイラになっちゃったってことですか?」
「まぁ、そんなところだな。だから、国王か誰かに聞きに行こうと思った訳だ」
ムシ討伐隊を倒す程の強力な力を持つモンスターが本当にいるのだとしたら、それは、とてつもなく恐ろしいことだわ。
「そろそろ行こうか。こんなところでお話していても何も始まらない」
パッドは立ち上がるとゆっくりと伸びをした。
「えっ?一緒に?」
「もちろん、一人は危険だ。それに、偶然にも目的地は一緒だしな」
パッドが言うことにも一理あるので、オーケスに着くまでは行動を共にすることにした。
この湖を見るのは何度目だろうか。
「あ、あのーわたしたちなんだか迷ってません?」
「なんだ、今さら気付いたのか」
「そんなー」
「まぁ、気楽に行こう」
「ザワザワザワ」
「何で・・・」
「静かにしろ!」
シャープが自分を諭す様に口元に人差し指を当てた。
木々が次々となぎ倒されている。
シャープはパニックになりそうになった。
「姿の見えない敵に動揺するのは分かる。だが、落ち着け、深く、ゆっくり深呼吸するんだ」
パッドがシャープに指導するように声を掛けた。
言われた通りにすると、少し気分が楽になった。
「何ですか。これ」
「さぁ、だが、気を抜くな。いつ襲いかかって来るか分からないからな」
今、その姿の見えない敵は木々の後ろからシャープたちの周りを囲むようにして回っている。
パッドの目には、木々の後ろにあるひとつの大きな影が映った。
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