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ミチとアコ 5

[122]  カイ  2008-12-07投稿
亜子の家の近くまで来ると、悟は立ち止まった。

“なに?”

目で問いかける亜子を引き寄せ、優しく抱き締める。
悟は亜子が愛しくてしかたがなかった。

亜子は硬直して、棒立ちになっていた。

「こわい?」

悟が尋ねると、亜子は慌てて首を振った。

「俺のこと、好き?」

悟の低い声が、体中に響く。

亜子は頷いた。

「好きじゃなきゃ、付き合わないよな」

悟は独り言のように言って、腕を解いた。

「じゃあな」

「え?」

「また明日」

手で“しっしっ”と、追いやられ、亜子は家の方へと歩き出した。

途中で後ろを振り返ると、悟はさっきの位置で、手を振っていた。

亜子も手を振り、家の門を開けた。

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