ブラッディ§レイン10
〓数時間後〓
辺りはすっかり明るくなっており、時折鳥の囀りが聞こえている。
「《朝だ…起きなきゃ…》」
ロミオは目を覚ました。
ゆっくりと上体を起こすと自分の体の異変に気付いた。
なんと、自分の心臓と右胸に剣が突き刺さっているのだ…
「《この剣…見た事がある…生前?自分が戦っていた男のモノだ…》」
そこまで思い出したらロミオは全てを悟った。
「《あぁ…僕…負けたんだっけ…でも…なんで僕生きてるんだ?…》」
ロミオがこのように思うのは当然だった、自分の受けた傷は明らかに致命傷である。
するとロミオは自身に刺さっている剣をおもいっきり引き抜いた。
ズブズブと嫌な音を起てながらその剣は両方抜けた…
抜き取った剣を傍らに置き辺りを見回すとロミオは驚愕した…
自身のちょうど右斜め前方に大木があり、その大木のふもとの所に少女が静かに座っている…
ロミオはその少女が誰なのかは直感で感じとっていた。
《「アリスだ…アリス!!!》」
ロミオは痛みを堪えながら彼女に駆け寄った。
そして、彼女の肩に手を掛けて。
「アリス!!どうしたんだ!?何だってこんな所に?!君は逃げたんじゃないのか!!?」
ロミオは少し大きな声で彼女に聞く…
「……………」
「返事をしてくれ!!?アリス!!」
彼女の肩を揺すりながらロミオは呼びかける、、
と、その時!!
アリスは目を開いたのだ!
ロミオは思った。「《よかった…まだ生きてる!!》」
「大丈夫?アリス??」
「……う…るさ…いなぁ…もう……」
アリスは酷く弱々しい声を出した。
「どうしたんだよ!?何で君がこんな怪我を…」
ロミオは少し声のトーンを落として。
「ばか……貴方を…た…すけ…る為じゃ…ない…」
ロミオはその言葉を聞き昔、母が言っていた事を思い出した。
〓アリスは…貴方達ナンバーズの中でも特別な存在なの…フフフッ…〓
「僕を助ける為?どういう事??」
「私の…血液って…特別でね…私の血…液は人…や動物達…を生き返らせる…事が…出来る…の」
そこまで聞いたロミオは力強く彼女を抱きしめた
「もぅ…いいよ…分かった…分かったから…」
《彼女は自らの命を削ってまで僕を生き返らせてくれたんだ…》
ロミオはそう思うと涙が止まらなかった。
〓第10話完〓
つづく…
辺りはすっかり明るくなっており、時折鳥の囀りが聞こえている。
「《朝だ…起きなきゃ…》」
ロミオは目を覚ました。
ゆっくりと上体を起こすと自分の体の異変に気付いた。
なんと、自分の心臓と右胸に剣が突き刺さっているのだ…
「《この剣…見た事がある…生前?自分が戦っていた男のモノだ…》」
そこまで思い出したらロミオは全てを悟った。
「《あぁ…僕…負けたんだっけ…でも…なんで僕生きてるんだ?…》」
ロミオがこのように思うのは当然だった、自分の受けた傷は明らかに致命傷である。
するとロミオは自身に刺さっている剣をおもいっきり引き抜いた。
ズブズブと嫌な音を起てながらその剣は両方抜けた…
抜き取った剣を傍らに置き辺りを見回すとロミオは驚愕した…
自身のちょうど右斜め前方に大木があり、その大木のふもとの所に少女が静かに座っている…
ロミオはその少女が誰なのかは直感で感じとっていた。
《「アリスだ…アリス!!!》」
ロミオは痛みを堪えながら彼女に駆け寄った。
そして、彼女の肩に手を掛けて。
「アリス!!どうしたんだ!?何だってこんな所に?!君は逃げたんじゃないのか!!?」
ロミオは少し大きな声で彼女に聞く…
「……………」
「返事をしてくれ!!?アリス!!」
彼女の肩を揺すりながらロミオは呼びかける、、
と、その時!!
アリスは目を開いたのだ!
ロミオは思った。「《よかった…まだ生きてる!!》」
「大丈夫?アリス??」
「……う…るさ…いなぁ…もう……」
アリスは酷く弱々しい声を出した。
「どうしたんだよ!?何で君がこんな怪我を…」
ロミオは少し声のトーンを落として。
「ばか……貴方を…た…すけ…る為じゃ…ない…」
ロミオはその言葉を聞き昔、母が言っていた事を思い出した。
〓アリスは…貴方達ナンバーズの中でも特別な存在なの…フフフッ…〓
「僕を助ける為?どういう事??」
「私の…血液って…特別でね…私の血…液は人…や動物達…を生き返らせる…事が…出来る…の」
そこまで聞いたロミオは力強く彼女を抱きしめた
「もぅ…いいよ…分かった…分かったから…」
《彼女は自らの命を削ってまで僕を生き返らせてくれたんだ…》
ロミオはそう思うと涙が止まらなかった。
〓第10話完〓
つづく…
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