僕の気持ち
「ねぇ…
どっちか選んでよ」
僕は、玄関から出てきた
幼なじみに両手を突き出した。
「……なに?」
彼女は、
意味分かんない
みたいな目をして僕を見る。
「手の中に
紙が入ってるから、
どっちか選んで」
「……なんで?」
彼女の目は変わらない。
「なんでも!!!
とにかく選んで!!!!!」
彼女は
1つため息をついて、
しょうがない
とでもいいたそうな顔で
僕の両手を見つめた。
「…じゃあ
……こっち!!!」
彼女は“右手”を選んだ。
「ハイ、どうぞ」
僕は握っていた
紙を彼女に渡した。
「…どぉも」
紙を受け取った
彼女は紙をひらいた。
「……なに、これ?」
彼女は紙を見て
固まっている。
「なにって…
……僕の気持ち♪」
「…バカ」
彼女の反応が可愛くて、
僕の顔は自然と笑顔になる。
「返事って…
今すぐもらえたりする?」
彼女は、少し涙をためて
「…うん
…――わたしも」
そう言って、笑った。
僕が初めて送った、
世界で1番短い気持ち…――
『好き』
《終》
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