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I'm Sorry?

[384]  花恋  2008-12-11投稿
彼が私を連れて来た場所は、いつかテレビで見たデートスポットの場所だった。

辺りは平日という事もあり人は少ないものの、すれ違うのはカップルばかりで腕を組んで皆幸せそうだ。

私達は少し距離を置いて歩いていた。何も話す事なくただ歩く。

少しして彼が突然

「この店入ろう」

そう言って私を引っ張った。私は驚いた。
普段なら彼が絶対に入りたがらないレディースの洋服屋。

恥かしそうにズンズン進むと白いコートのMサイズを手に取り、レジへ向う。

「はい。プレゼント」

そう言われて、差し出された紙袋にはピンクのリボンが結ばれている。そっと袋の中を覗いた。

「これ…」

あまり急な展開についていけなかった私は、初めてここが私の憧れていたショップだと気付き、彼が差し出した紙袋の中身は、前雑誌を見て欲しいと騒いでいたコートだという事に気付いた。

「何でこんなことするの?」
ありがとうの言葉も忘れて、私は黙ったままの彼に聞いた。

「誕生日だから。」

彼はそう言ってまた黙った。
二人黙ったまま歩き、少し洒落た感じのレストランに入った。西日が差して来て、オレンジ色の店内は私達しか客がいなかった。

窓側の席に通され、メニューを見る前に彼が何やら注文し初めた。私は黙ったまま色んな思いを馳せていた。

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