エンブレム〜序章〜?―?
眼を開けるとそこには真っ白な雪景色が広がっていた。
それが水を絞った薄手のタオルであると気付いたのはそれから二十秒ほど経った頃だった。
「ん…っつ…」
起き上がろうとした刹那鼻の頭に鈍い痛みを感じた。
軽く触れた感じでは、どうやら骨は折れていないようだが当分ヒンヤリ湿布のお世話になる事は間違いないだろう。
「いつっ…怜の奴、強く蹴りすぎだろ…たくっ、だから男女なんていう称号が定着しちまうんだよ」
「…そう呼んでるのは専らあんただけどね」
「…!?」
ビクッと体が強張ったのが自分でも分かった。
ええと…。
ゆっくりと起き上がり声がした方、つまりはドアの方を向いた。
あら、ビックリ。
いつから居たんですか怜奈さん。
「ついさっきね。多分そろそろ起きる頃かなっと思って…」
「…」
お前の蹴りはいつ頃起きるかまで計算し尽くされているのかよ…。
ってそれよりも…。
「あのさ…」
「あんたの質問より先に私の質問に答えてくれない?」
「…ん、あぁ、良いぜ。俺の好きなお茶の銘柄の事なら何でも答えてやるよ」
「私が聞きたいのはそんな事じゃないわよ。ていうかそんな事聞かなくても全部知ってるし…」
それが水を絞った薄手のタオルであると気付いたのはそれから二十秒ほど経った頃だった。
「ん…っつ…」
起き上がろうとした刹那鼻の頭に鈍い痛みを感じた。
軽く触れた感じでは、どうやら骨は折れていないようだが当分ヒンヤリ湿布のお世話になる事は間違いないだろう。
「いつっ…怜の奴、強く蹴りすぎだろ…たくっ、だから男女なんていう称号が定着しちまうんだよ」
「…そう呼んでるのは専らあんただけどね」
「…!?」
ビクッと体が強張ったのが自分でも分かった。
ええと…。
ゆっくりと起き上がり声がした方、つまりはドアの方を向いた。
あら、ビックリ。
いつから居たんですか怜奈さん。
「ついさっきね。多分そろそろ起きる頃かなっと思って…」
「…」
お前の蹴りはいつ頃起きるかまで計算し尽くされているのかよ…。
ってそれよりも…。
「あのさ…」
「あんたの質問より先に私の質問に答えてくれない?」
「…ん、あぁ、良いぜ。俺の好きなお茶の銘柄の事なら何でも答えてやるよ」
「私が聞きたいのはそんな事じゃないわよ。ていうかそんな事聞かなくても全部知ってるし…」
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