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未来は皆の手の中

[442]  ミサキ  2008-12-13投稿
「…だめ?」

「えッ?」

「俺じゃダメかな」

グイッ

隼人があたしの腕を
引っ張って
抱き締めた。

「だからもぅ…」

引っ張られた腕を
ほどこうとした。

ギュッ

「隼人…苦しい…」

「梨歩を…俺のものにしたい…」

「あたしは…隼人が好きじゃない…」

あたしは隼人を
好きに…

好きになっちゃ
いけないんだよ…

涙が溢れる。

バカみたい…

隼人が今にも
泣きそうな目で
あたしに言った。

「…ごめんな。梨歩の気持ち、よく分かったよ。梨歩が好きなのは俺じゃないんだよな?」

コクンと頷く。

「…じゃーな」

ごめんね…

隼人のこと
好きじゃないなんて
嘘だよ…

好きな人がいるなんて
嘘なの…

だけど好きになっちゃ
いけないの…


〈学校〉

《ねーねー♪梨歩って誰が好きなの?》

美羽と若奈が聞く。

《あたし?う〜;;》

《あたしは隼人なんだぁ♪》

《…あっそぉなんだ♪美羽可愛いから両思いかも知れないよ〜》

無理矢理笑った。

本当は泣きたかった。

美羽のために、諦めようとした。
亜由にも本当のことが言えなかった。

《もぅ隼人を諦めよう》
決心したハズなのに…

どうして
涙が出てくるの

どうして…
胸が苦しいの

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