赤い小説。
「・・・疲れた…。」
ファミレスのバイトが終わり、家のベッドに倒れこむ。
女の一人暮らしには丁度いい広さのアパートだ。
そして何気なくケータイを手に取りホラー系の小説サイトを開く。
幾つも並ぶ題名のなかに一つだけ赤い文字の題名があった。
無題。
気になって開いてみると、こう書いてあった。
『死にたくない方は一番下の画像は絶対に開かないで下さい。』
人間という生き物はするなと言われるとしたくなるものだ。
ましてや何人もの人が見るケータイのサイト。
本当に死ぬなら大事件だ。
下に進んで行くと確かに画像が貼ってあった。
ちょっとした好奇心の他には何の感情もない。
決定キーを親指で押す。
「・・・えっ!?」
急に画面が切り替わり、インカメラが作動した。
カシャッ
暗い部屋に無機質なシャッター音が響く。
翌日、遊びに来た友人がベッドの上の彼女の遺体を発見する。
眼球が無かった。
警察がケータイを調べた。
そこに写っていたのはドアップの彼女の顔と、画面右上の隅にいる血まみれで眼球の無い女の姿だった。
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