ロストクロニクル4―5
蛇の大きな口がこちらにむけられているシャープは考えていた。
何とかしてあの蛇の動きを止めて、一刻も早くこの森から脱出しないと。
だが、シャープにあんなに大きな蛇の動きを封じる術はない。
口を開けた蛇をひらりとかわすと急いで湖の方へと走り出した。
「早くこっちへ来い」
パッドが湖の向こう岸から叫んでいる。
シャープは湖のそばまで行くと湖の一部を一本の道のように凍らせ、その道の上を滑って向こう岸へ渡り、パッドの傍へと駆け寄った。
「わたしあの蛇、凍らせてみます」
「でも、大きすぎて無理なんだろ?」
パッドが不思議そうに問い掛けた。
「はい。でも、考えがあります」
パッドは、そうか、と呟き、シャープと共にゆっくりと進路を二人に向け始めている蛇を湖から間を空けて待った。
「危なくなったら無理せず逃げろ。分かったな?」
「大丈夫です。信じて下さい」
そして、片目を潰された蛇はシャープたちをめがけて走り出した。
「来たぞ」
「任せて下さい」
シャープは全神経を集中させた。
蛇が湖の前まで来た。
そろそろだ。失敗したら
・・・おしまい。
蛇は躊躇せずに湖の中へ入っていった。
「どうするんだ?潜っちまったぞ?」
「はい。この時を待ってましたから」
あとはいつ出て来るか。
「ザッバーン!」
波の音と鳴き声が混ざりあった音が周囲を支配し、シャープは目を閉じた。
「わたしの考えがどうか正しくありますように」
蛇は今にもシャープを丸呑みしてしまいそうな程近くにいた。パッドがシャープを助ける為、蛇の頭を切りつけようとした時だった。
シャープの手のひらから氷の玉が撃ち出された。
氷の玉は蛇の口から体内に入り、体の内部から凍結が広がっていく。そして、その凍結は目にも止まらぬ早さで濡れた体の表面にまで及ぶ。そのまま、パッドの剣が蛇の頭に強い衝撃を与えた。
シャープが目を開けた時には凍った蛇の体全身にひびが入っていた。
「シャープ、俺たちの勝ちだ」
大きな音と共に凍てついた蛇の体は粉々に砕け散った。
「あっ!光が」
砕け散った蛇の後ろから森の出口からの光が射し込んできた。蛇が木々をなぎ倒してきたせいだろう。
「よ〜し、この森さえ抜けれれば、そこはもうオーケスだ」
一方、シャープはすっかり安心し切って、深い眠りについてしまった。
何とかしてあの蛇の動きを止めて、一刻も早くこの森から脱出しないと。
だが、シャープにあんなに大きな蛇の動きを封じる術はない。
口を開けた蛇をひらりとかわすと急いで湖の方へと走り出した。
「早くこっちへ来い」
パッドが湖の向こう岸から叫んでいる。
シャープは湖のそばまで行くと湖の一部を一本の道のように凍らせ、その道の上を滑って向こう岸へ渡り、パッドの傍へと駆け寄った。
「わたしあの蛇、凍らせてみます」
「でも、大きすぎて無理なんだろ?」
パッドが不思議そうに問い掛けた。
「はい。でも、考えがあります」
パッドは、そうか、と呟き、シャープと共にゆっくりと進路を二人に向け始めている蛇を湖から間を空けて待った。
「危なくなったら無理せず逃げろ。分かったな?」
「大丈夫です。信じて下さい」
そして、片目を潰された蛇はシャープたちをめがけて走り出した。
「来たぞ」
「任せて下さい」
シャープは全神経を集中させた。
蛇が湖の前まで来た。
そろそろだ。失敗したら
・・・おしまい。
蛇は躊躇せずに湖の中へ入っていった。
「どうするんだ?潜っちまったぞ?」
「はい。この時を待ってましたから」
あとはいつ出て来るか。
「ザッバーン!」
波の音と鳴き声が混ざりあった音が周囲を支配し、シャープは目を閉じた。
「わたしの考えがどうか正しくありますように」
蛇は今にもシャープを丸呑みしてしまいそうな程近くにいた。パッドがシャープを助ける為、蛇の頭を切りつけようとした時だった。
シャープの手のひらから氷の玉が撃ち出された。
氷の玉は蛇の口から体内に入り、体の内部から凍結が広がっていく。そして、その凍結は目にも止まらぬ早さで濡れた体の表面にまで及ぶ。そのまま、パッドの剣が蛇の頭に強い衝撃を与えた。
シャープが目を開けた時には凍った蛇の体全身にひびが入っていた。
「シャープ、俺たちの勝ちだ」
大きな音と共に凍てついた蛇の体は粉々に砕け散った。
「あっ!光が」
砕け散った蛇の後ろから森の出口からの光が射し込んできた。蛇が木々をなぎ倒してきたせいだろう。
「よ〜し、この森さえ抜けれれば、そこはもうオーケスだ」
一方、シャープはすっかり安心し切って、深い眠りについてしまった。
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