3月17日
これは、ボクが幼稚園の
頃の話。
ボクにはお父さんが
いない。お母さんが女手一つで育ててくれた。
お母さんは仕事を
しているため、
帰りが遅くなる。
だから、幼稚園に
迎えにくるのは
夜の8時くらいだ。
今日もまた幼稚園で
親の迎えを待っていた。
ふと、本が並べてある
スペースに行くと
女の子が1人で
なにかを読んでいた。
ボク『なに読んでるの?』
ボクは声をかけた。
キミ『・・・』
キミは何も言わず、
本を閉じ、
こっちを見たね。
キミ『あなたも迎えに
くるの待ってるの?』ボク『うん、そうだよ』
キミ『ふ〜ん・・』
ボク『本読むの好き?』
キミ『好きかな・・』
ボク『君の誕生日は
いつ?』
キミ『3月の・・17日』
ボク『えっ、一緒だ』
キミ『そうなの?運命感じるね』
ボク『運命っ?』
キミ『そう。あたしたちが いまこうやって出会ったことも運命なんだよ』
ボク『ふ〜ん・・』
この時のボクには
運命とゆう言葉が
よく分かってなかった。
ボク『そういえばキミ、
名前は?』
キミ『なつみっ』
ボク『ボクは、はるき』
キミ『はるきって呼んで
いい?』
ボク『うん。じゃあ、
ボクはなつみね?』
キミ『いいよ〜っ』
しばらくキミと
話をしたね。
そして、夜の8時15分。
先生が呼びにきた。
先生『はるきくん、
お母さん来たよ』
ボク『はい。』
キミ『はるき、またね』
ボク『なつみのお母さん
まだなの?』
キミはにっこり笑って
何も答えなかったね。
ボク『また、明日な』
キミ『うん』
翌朝、ボクはキミの
ところに行った。
ボク『おはよっ』
キミ『・・・』
ボク『どうしたの?』
キミ『明日、引っ越し
しちゃうんだ』
ボク『えっ・・』
キミ『ごめんね。せっかく友達になったのに』
ボク『大丈夫。離れても
友達だぜ』
キミ『うん(笑)』
今日は3月16日。
偶然にもなつみが
行ってしまう日は
ボクとキミの誕生日だ。
そして、当日。
ボクはキミを見送った。
別れ際にボクはキミに
キミがあの時読んでいた 本をプレゼントした。
キミはすごく喜んで、
ボクの手を握ったね。
そのぬくもりが今でも
この手に残ってる
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