さわるな。
ふれるな。
私にふれるな。
私の心にふれるな。
うずくまって隠す、何よりも大事な心臓。
ドクドクいってる。
私は恐怖に目を見開く。
さわるな、さわらないで……。
傷つくのが嫌だった。
せっかくここまで守ってきたのに。
生まれてからずっと大切に守ってきたものがあるのに。
世界に汚される。
ふれるな。
お前はふれるな。
汚い手でふれるな。
私の、何よりも大切な想いに。
貫いてきた生き方も。
信念も。
道徳も。
あざ笑いながら、奴らは奪ってゆく。
どうして。
涙が落ちた。
私はどこで間違えた?
心を守り損ねた?
染まってないはずだった。
私だけはと。
私だけは正しくあろうと。
たとえ周りがどんなに酷いことをしていても。
なのに。
結局、同じ。
私もただの人間だった。
ただのおごり。
私は一体何になろうとしていた?
神か仏にでもなるつもりだったのか。
――は、笑える。
それなのに私は。
相変わらず胸の辺りを抱き締めて。
心臓を。
腐った器官からなるそれを。
よどんだ血液が流れ下るそれを。
相も変わらず、守っている。
さわるな。
私にさわるな。
お願いだから。
もう何もなくさせないで……。
私にふれるな。
私の心にふれるな。
うずくまって隠す、何よりも大事な心臓。
ドクドクいってる。
私は恐怖に目を見開く。
さわるな、さわらないで……。
傷つくのが嫌だった。
せっかくここまで守ってきたのに。
生まれてからずっと大切に守ってきたものがあるのに。
世界に汚される。
ふれるな。
お前はふれるな。
汚い手でふれるな。
私の、何よりも大切な想いに。
貫いてきた生き方も。
信念も。
道徳も。
あざ笑いながら、奴らは奪ってゆく。
どうして。
涙が落ちた。
私はどこで間違えた?
心を守り損ねた?
染まってないはずだった。
私だけはと。
私だけは正しくあろうと。
たとえ周りがどんなに酷いことをしていても。
なのに。
結局、同じ。
私もただの人間だった。
ただのおごり。
私は一体何になろうとしていた?
神か仏にでもなるつもりだったのか。
――は、笑える。
それなのに私は。
相変わらず胸の辺りを抱き締めて。
心臓を。
腐った器官からなるそれを。
よどんだ血液が流れ下るそれを。
相も変わらず、守っている。
さわるな。
私にさわるな。
お願いだから。
もう何もなくさせないで……。
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