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航宙機動部隊前史後編・29

[626]  まっかつ  2008-12-17投稿
ガニバサの早すぎる死によって航宙軍事総同盟は空中分解し、ここに第二次恒星間大戦は終結した。
だが、これが銀河連合陣営の勝利を意味した分けでも、況してや完全平和の確立を意味した分けでも無かった。
強烈なリーダーを失った十提督達は、確かに反目し合い、後継者争いを展開して内戦状態へと突入したが、対する銀河連合=宗教界=宙際連合のトライアングルも、強敵が消えた傲りからか、次第に綻びが見え始めたのだ。
簡単に見れば、銀河連合が軍事・宙際連合が政治・宗教界が精神的権威を分担し合ってガニバサに当たっていたのだが、彼の横死以後、互いに手柄と主導権を主張して闘争を激化させ、しかも、本来なら敵手たる旧十提督達の勢力をそれぞれ味方に付けようと、躍起になり出した。
更に悪い事に、こちらもそれぞれ二代目ガニバサたらんとしていた十提督達が、渡に船とばかりにこの誘いに飛び付いた。
こうして混乱・無秩序が拡大し、銀河の勢力図は、それこそぐちゃぐちゃになってしまった―\r

銀河元号一五六三年・この憂慮すべき状態の中で、引き続き失職軍人や戦災民間人の救済に当たっていたガレンバルボも暗殺されると、銀河情勢がずるずると破局へと引きずり込まれて行くのを食い止められる人物は、もう居なくなってしまった。

その二年後、遂に第三次恒星間大戦が勃発してしまった。
事の発端は、豊かな資源と多くの人口を有するニニギ恒星系の帰属を巡る諸勢力間の紛争で、当地の女王イラツメが暗殺されると言う事件が、百に迫る最後通牒と宣戦布告の引金となり―あるいは利用された事だった。

この戦争自体は、先の二大戦と比べると規模も期間も少なく、それに応じて戦果も被害も、割と淡白な水準に収まった観がある。
ただし、定説に従えば、この大戦は次なる最終戦争を準備する為の言わば《整理戦争》であった。
何故なら、五年の交戦期間を経てモミツゴ星系にて一応の和平交渉が成立した段階で、宇宙には五つの超大国《スーパー=パワー》が成立し、全ての力を独占していたからだ。
言わゆる五大国である。
五大国はザグレブ公宙域で正式な宙際条約を結び、戦争の終結を宣言し、並びに相互不可侵・弱者保護・経済協力・秩序維持・共同開発・平和追求の六原則を厳かに定めた。
だが、それは守られざる約束であった―\r

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