エンブレム〜序章〜?―?
「私も、着せ替えに夢中になってて聞くの忘れてたよ」
「何だ、全員が全員忘れてたのかよ」
「みたいねぇ」
『あはははは！』
「…」
この村の人達は皆こんな風なんでしょうか…。
「と言うわけなんで貴女の名前私達に教えて下さい！」
「…」
「……ひょっとしてこれも無回答？」
怜の問い掛けに彼女は首を降った。
そして、果てしなく長く感じられた二分の沈黙のあと彼女はこう続けた。
「……私に……私に…名前なんて…在りません…。…在るのは……数字だけ…」
蚊の鳴くような絞り出す声で彼女は言った。
「…数字だけって…どういうこと？」
麻衣がよく分からないといった表情で聞き返した。
それは俺も同じだった。
「そうだよ、どういう事だよ。名前が無いって」
「答えられること？」
怜が聞く。
「…無回答…」
「おい…」
「待ってシン。約束したでしょ。答えられないことは答えなくて良いって」
確かにそれはそうだった。
俺は出かかった言葉を飲み込み質問を変えた。
「じゃあさ、俺達はあんたの事を何て呼べば良いんだ？」
「…何でも…好きに呼んで構いません…」
「うーん、あっ、じゃあナナシちゃん何てどうかな？」
「何だ、全員が全員忘れてたのかよ」
「みたいねぇ」
『あはははは！』
「…」
この村の人達は皆こんな風なんでしょうか…。
「と言うわけなんで貴女の名前私達に教えて下さい！」
「…」
「……ひょっとしてこれも無回答？」
怜の問い掛けに彼女は首を降った。
そして、果てしなく長く感じられた二分の沈黙のあと彼女はこう続けた。
「……私に……私に…名前なんて…在りません…。…在るのは……数字だけ…」
蚊の鳴くような絞り出す声で彼女は言った。
「…数字だけって…どういうこと？」
麻衣がよく分からないといった表情で聞き返した。
それは俺も同じだった。
「そうだよ、どういう事だよ。名前が無いって」
「答えられること？」
怜が聞く。
「…無回答…」
「おい…」
「待ってシン。約束したでしょ。答えられないことは答えなくて良いって」
確かにそれはそうだった。
俺は出かかった言葉を飲み込み質問を変えた。
「じゃあさ、俺達はあんたの事を何て呼べば良いんだ？」
「…何でも…好きに呼んで構いません…」
「うーん、あっ、じゃあナナシちゃん何てどうかな？」
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