十字路とブルースと僕と俺 14
おれはその後、ブルースマンになることを夢みた。高校二年の夏、いっこ上の先輩の部屋でうだるような暑さのなか、扇風機の涼しいんだか涼しくないんだかわからない風を浴びながら、たまたまブルースのレコードを聴いたのがきっかけだった。あの夏に聴いたブルースとはまた少し違っていたが、このとき聴いたブルースに懐かしさと衝撃を受け、そっちの道にどっぷりのめり込むことになった。その時かかっていたのは、ロバート・ジョンソンのレコードだった。
高二の冬、バイトした金でなんの変哲もない、高くも安くもないアコースティックギターを買った。この日からおれはブルースマンになった。まあコードの一つもろくに押さえられないにしても、いちおう気持ちだけはいっちょ前だった。
おばあちゃんの家にはその後も何度か行ったが、おかしなことは一度として起こらなかった。高校を卒業してからは、仕事やなんやかんやでめっきり足が遠退いたが、25の時、久しぶりに行った祖母宅である事実を知った。10才の時のあの夏とは天と地ほども違う、凍えるほど寒い雪の降る日だった。
高二の冬、バイトした金でなんの変哲もない、高くも安くもないアコースティックギターを買った。この日からおれはブルースマンになった。まあコードの一つもろくに押さえられないにしても、いちおう気持ちだけはいっちょ前だった。
おばあちゃんの家にはその後も何度か行ったが、おかしなことは一度として起こらなかった。高校を卒業してからは、仕事やなんやかんやでめっきり足が遠退いたが、25の時、久しぶりに行った祖母宅である事実を知った。10才の時のあの夏とは天と地ほども違う、凍えるほど寒い雪の降る日だった。
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