ガンザンダン B+Cside 1
議員宅
「右腕が紅くってでかい傷負ってる男って知ってる?」
ダラードにそう問われたが、議員は一体何のことかわからず、怯えながら首を横に振った。
「そうか・・・」
消えてしまいそうな声で呟きながら、ナイフの先を下げる。その表情は期待はずれだと語っている。
そして何を思ったのかダラードはとどめをさすことなく入口へと歩き出した。九死に一生を得たわけである。
議員は安堵の息を漏らし、同時に
「死ねぇ」
と叫びながら懐から銃を取り出しダラードへ向けた。
対するダラードは一瞬遅れて議員のほうへ目を向ける。
パンッ
引き金が引かれた。
しかし
キンッ
高い音がなっただけであった。
「なかなか馬鹿だね」
ダラードは引き金が引かれた瞬間に議員の前まで近づき、ナイフで銃口を抑えるという神業をやってのけたのだ。
「あ〜あ。ナイフが変形しちゃったよ」
銃口を抑えたナイフを見ながら入って来た時と変わらない調子でぼやく。
だが、議員は気付いてしまった。
「弁償してほしいけどさ」
先程見せていた猛獣のような目がさらにまがまがしいものに変わっており、何て言ってもその瞳自体が赤黒く染まっていることに。
「お前今から死ぬしね」
そういうと、彼は変形したナイフを振り上げ、議員に向かって勢いよく振り下ろす。
「ひいぃぃ」
反射的に手で顔を覆い隠す。
しかし、ナイフが彼に到達することはなかった。
「・・・何さ?ヒーロー登場ってやつ?」
議員はゆっくりとその光景を目に入れる。するとそこには見覚えのある二人の顔があった。
「うるせえよ、ゲスが」
二人_ゲルドとリクトはゲルドの勘に従い邸宅を歩き回り、ちょうどダラードがナイフで銃口を塞いだのと同時にここに到着したのだ。
「怖いねぇ、さすが区間民を守る人だけはあるね」
「黙れ、この人殺しが」
ゲルドはダラードのナイフを握る手をしっかりと握っており、ピクリとも動く気配がない。
「まあ、俺の稼業は殺し屋だから否定はしないけど」
「もう一度言ってやる」
軽口を叩くダラードに厳しい顔になりながら、彼の腕を強引に持ち上げ、背中へ回させる。
「黙れ」
「右腕が紅くってでかい傷負ってる男って知ってる?」
ダラードにそう問われたが、議員は一体何のことかわからず、怯えながら首を横に振った。
「そうか・・・」
消えてしまいそうな声で呟きながら、ナイフの先を下げる。その表情は期待はずれだと語っている。
そして何を思ったのかダラードはとどめをさすことなく入口へと歩き出した。九死に一生を得たわけである。
議員は安堵の息を漏らし、同時に
「死ねぇ」
と叫びながら懐から銃を取り出しダラードへ向けた。
対するダラードは一瞬遅れて議員のほうへ目を向ける。
パンッ
引き金が引かれた。
しかし
キンッ
高い音がなっただけであった。
「なかなか馬鹿だね」
ダラードは引き金が引かれた瞬間に議員の前まで近づき、ナイフで銃口を抑えるという神業をやってのけたのだ。
「あ〜あ。ナイフが変形しちゃったよ」
銃口を抑えたナイフを見ながら入って来た時と変わらない調子でぼやく。
だが、議員は気付いてしまった。
「弁償してほしいけどさ」
先程見せていた猛獣のような目がさらにまがまがしいものに変わっており、何て言ってもその瞳自体が赤黒く染まっていることに。
「お前今から死ぬしね」
そういうと、彼は変形したナイフを振り上げ、議員に向かって勢いよく振り下ろす。
「ひいぃぃ」
反射的に手で顔を覆い隠す。
しかし、ナイフが彼に到達することはなかった。
「・・・何さ?ヒーロー登場ってやつ?」
議員はゆっくりとその光景を目に入れる。するとそこには見覚えのある二人の顔があった。
「うるせえよ、ゲスが」
二人_ゲルドとリクトはゲルドの勘に従い邸宅を歩き回り、ちょうどダラードがナイフで銃口を塞いだのと同時にここに到着したのだ。
「怖いねぇ、さすが区間民を守る人だけはあるね」
「黙れ、この人殺しが」
ゲルドはダラードのナイフを握る手をしっかりと握っており、ピクリとも動く気配がない。
「まあ、俺の稼業は殺し屋だから否定はしないけど」
「もう一度言ってやる」
軽口を叩くダラードに厳しい顔になりながら、彼の腕を強引に持ち上げ、背中へ回させる。
「黙れ」
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