老婆
私は小さい頃から霊感がある。特に何故か死期が迫る人間を見ると、はっきり老婆の姿が見える。
夫の出張中、突然、私の職場に娘が事故にあったと電話があった。急いで病院に向かった。向かう途中、救急車とすれ違った。カーテンの一瞬の隙間からあの老婆が見えた。娘の安否がいっそう不安になる。
病室に着くと手術中と、真っ赤に灯りがついていた。容態はまだわからない。
手術は深夜にまで及び、意識が睡魔に奪われそうになる。
その時、スーーっと目の前を老婆が横切り、手術室へと吸い込まれていった。
私の睡魔は一気に吹き飛んだ。
と同時に医師が出てきた。
「輸血?」
「はい。娘さんと同じ血液が必要です。思いのほか、出血が激しく、これを乗り越えても生存の可能性はひくい事はご理解下さい。ただ、同じ血液がお母さんあなた自身の特殊な血液の輸血がなければ生存はあり得ません。」
私達親娘の血液は、日本でも数の少ない種類。通常の輸血ができず、母である私の輸血が必要だった。
私は医師に運命を託した。
手術室には娘とあの老婆の姿があった。
娘の手術台と並んだ私は麻酔をかけられるため、マスクをつけられた。
その瞬間…全て悟った。
医師の格好をした老婆が私を真上から見下ろしてきていた。
しかしこれで良かったんだ!娘を助ける事ができたから…
夫の出張中、突然、私の職場に娘が事故にあったと電話があった。急いで病院に向かった。向かう途中、救急車とすれ違った。カーテンの一瞬の隙間からあの老婆が見えた。娘の安否がいっそう不安になる。
病室に着くと手術中と、真っ赤に灯りがついていた。容態はまだわからない。
手術は深夜にまで及び、意識が睡魔に奪われそうになる。
その時、スーーっと目の前を老婆が横切り、手術室へと吸い込まれていった。
私の睡魔は一気に吹き飛んだ。
と同時に医師が出てきた。
「輸血?」
「はい。娘さんと同じ血液が必要です。思いのほか、出血が激しく、これを乗り越えても生存の可能性はひくい事はご理解下さい。ただ、同じ血液がお母さんあなた自身の特殊な血液の輸血がなければ生存はあり得ません。」
私達親娘の血液は、日本でも数の少ない種類。通常の輸血ができず、母である私の輸血が必要だった。
私は医師に運命を託した。
手術室には娘とあの老婆の姿があった。
娘の手術台と並んだ私は麻酔をかけられるため、マスクをつけられた。
その瞬間…全て悟った。
医師の格好をした老婆が私を真上から見下ろしてきていた。
しかしこれで良かったんだ!娘を助ける事ができたから…
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