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人間の誤差

[361]  サカイ  2008-12-21投稿
大好きだった彼女が
今朝死んだ。


僕は病院に一晩中いた。


ただ大声で泣く御両親に一礼して彼女に会わずに病院を出た


僕は泣けなかった。


涙の一粒も流れない


人間の誤差なのか。


僕はただ自宅とは逆の報告に歩き続けた。


疲れきるまで歩き続けた。


そして川に出た。


遊歩道には
大きなケヤキの木があった

僕はそっと幹に腕をまわして鼓動を聞く


なにも聞こえない。


ようやく一粒の涙が頬をつたい地面に落ちた


地面とケヤキはなにも語らない。


僕は誤差を修正した。


さあ彼女に会いにいこう



その後 彼の消息をだれも知らない

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