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スラム part15

[620]  やいち  2008-12-22投稿
そのことに気付いたのは一本背負いで負けた、夏の総体のときだった。

俺は6月のインターハイは先輩にゆずっからだ。
高校最後の大会になる先輩の邪魔を1年の俺がするわけにいかないと思ったからだ。

よく考えればあの中学最後の大会で負けたとき、こうなるんじゃないかと思うべきだったんだ。

俺は周りが思ってるような、心が強い人間じゃない。大会だって、緊張で足がおぼつかないことだってよくあったからだ。

今わかってるのは、公式戦や緊張の走る練習試合をするときに一本背負いや背負い投げをくらうとからだが硬直したように反応できないってことだ。

これをなんとかしなきゃ俺は勝っていけない。
でも、なんで新藤と試合したときは、一本背負いを途中で止められたのだろうか。
新藤の一本背負いは総体であたったやつよりはっきりいってすごかった。
なにより、あの背負いからはなにか昔くらったことでもあるかのような恐怖があったのに。

ただ今はこれを克服しなきゃならない。
俺は勝ち進まなきゃならないんだ。

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