エンブレム〜序章〜?―?
「お、出来たか」
「うん、バッチシ。さすがは私と麻衣ちゃんの合作ね。素晴らしい出来だわ」
腕組みをしてウンウンと頷く怜。
「スゲェ絶賛だな」
そう言いながら鍋の中を覗くと、成程これは確かに旨そうな出来栄えだな。
鍋から立ち込めるカレー独特のスパイシーな香り。
やべぇ、この時点で胃が悲鳴をあげやがるぜ…!
「ふふ、まあねぇ♪よっと、さ、行きましょう」
軽く笑った後、怜はカレー鍋を持ち二人のいる食卓に歩いて行った。
でも、俺はその場から動かなかった。
先刻の怜の言葉を思い出していたからだ。
〔似てるのよあの子、七年前のアンタの目と〕
「…似てる…かぁ…」
殺意、憎悪、悦び。
…彼女も…同じなのかな。
「…」
「――ちょっとぉ!何してんのよ!早く食器持ってきなさーい!」
「あ…おう悪ぃ、今持ってく!」
「全く…早くしなさいよー…!」
「あぁっ…」
そうだよな…今、考えていたって仕方ないよな。
もし何か出来ることがあったらその時すれば良いんだ。
俺みたいに…ならないうちに。
「うん、バッチシ。さすがは私と麻衣ちゃんの合作ね。素晴らしい出来だわ」
腕組みをしてウンウンと頷く怜。
「スゲェ絶賛だな」
そう言いながら鍋の中を覗くと、成程これは確かに旨そうな出来栄えだな。
鍋から立ち込めるカレー独特のスパイシーな香り。
やべぇ、この時点で胃が悲鳴をあげやがるぜ…!
「ふふ、まあねぇ♪よっと、さ、行きましょう」
軽く笑った後、怜はカレー鍋を持ち二人のいる食卓に歩いて行った。
でも、俺はその場から動かなかった。
先刻の怜の言葉を思い出していたからだ。
〔似てるのよあの子、七年前のアンタの目と〕
「…似てる…かぁ…」
殺意、憎悪、悦び。
…彼女も…同じなのかな。
「…」
「――ちょっとぉ!何してんのよ!早く食器持ってきなさーい!」
「あ…おう悪ぃ、今持ってく!」
「全く…早くしなさいよー…!」
「あぁっ…」
そうだよな…今、考えていたって仕方ないよな。
もし何か出来ることがあったらその時すれば良いんだ。
俺みたいに…ならないうちに。
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