時と空の唄11-1
茂みから姿を現したその人影はライフルを片手にしていた。
「あんた…」
ライフルを片手にしたそいつは狩人らしき男だ。
「こんな雨の中何してるんだい?」
「え……。あの…」
「まぁいいや。
おいで。直に嵐が来る。」訳もわからないままシーラは突然現れたこの男に手を引かれ山の中を進む。
暫く歩くと山小屋を見つけた。
薄暗い山小屋の炉に明かりが灯された。
「ほら、風邪をひく。」
そう言って男は白いタオルを投げて寄越してきた。
「あ、ありがとう…」
「ところで、あんた名前は?どこから来た。」
「シーラです。シーラ・アレフォール。」
濡れた銀髪をタオルで拭きながらシーラは名乗った。「そうかシーラ。
俺はフォー。見ての通り、狩人だな。」
今度はシーラが聞いた。
「ここは、あなたの家ですか?」
「いや、俺は山の向こうの方に家がある。
ここは俺達狩人の休憩所だな。」
風が出てきた。
大分大粒になったらしい雨粒が窓に当たりガタガタと激しい音をたてている。
「ほら、ホットココア。」
目の前に差し出されたココア。
「あ、ありがとう…。」
「ところで、シーラ。
俺はあんたにいくつか聞きたいことがあるんだが。」
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