ロストクロニクル5―3
タクトの心の中に聞こえてくる声はなおもタクトに語りかけてくる。
『ルパスは素晴らしい国だぞ』
『そんな訳ない!』
『なぜ拒否する?我々が何をした?』
『何をしただと?『木彫りの不死鳥』を砕き『勇者の血』を持つ関係の無い人々の命を奪い、挙げ句の果てには戦争まで起こそうとしているじゃないか!』
『なるほど。だが、過ちを犯したのはパラスも同じこと』
声は嘲笑うかのように嘲笑した。
「大丈夫ですかー?」
前を見るとフラットたちがこちらに向かって叫んでいた。どうやらタクトだけがひとり立ち止まってしまっていたらしい。
「あ、ああ」
あどけない返事をし、三人の元へ走って行った。
「こんなに大きかったのねー!」
タクトの右側でパールが感嘆の声を漏らしていた。図書館に来たことがあるのはフラットだけだった。
図書館の玄関口には地面から天井までを支えている白く太い柱が左右に三本ずつ並び、その柱の中心には沢山の人々が出入りしやすい程の大きさの入り口があった。さらに、その入り口の上部には不死鳥のエンブレムが飾り付けられ『パラス王立図書館』と誇らしげに堂々と刻み込まれていた。
「・・・パラス王立図書館」
「やっぱ出るのも入るのも魔導師ばっかだなー」
ウェドは全身からだるそうな雰囲気をかもし出していた。
「難しい本なんて、魔導師の中でも頭の良い人しか読みませんよ」
「でも、本当に『勇者の血』なんて何かの本に書いてあるのかな?」
「とりあえず、入ってみましょ」
パールが三人の背中を押すように、少々強引に図書館の中に入れた。
図書館の中は想像通り、天井は高く、本棚がびっしりと立ち並び、玄関口で見た柱とほとんど同じ形をした柱が本棚に負けじと同じくびっしりと建物の端の方に並んでいた。床には、パラスを象徴する不死鳥が紅い炎を体に纏い、翼を左右に美しく広げていた。手に入れた『木彫りの不死鳥』の顔によく似ている。
「そろそろ探さなくていいの?」
パールが痺れを切らした。
「そうですね。三階・・・くらいですかね?」
三人は最上階である三階へ上っていった。
「三階にはほとんど人がいないな」
タクトが不思議そうに呟いた。
「はい。三階は主にパラスの逸話や伝説が書かれた本ばかりがありますから、勉強にならないんですよ」
と言いながら早速本棚を調べ始めた。
『ルパスは素晴らしい国だぞ』
『そんな訳ない!』
『なぜ拒否する?我々が何をした?』
『何をしただと?『木彫りの不死鳥』を砕き『勇者の血』を持つ関係の無い人々の命を奪い、挙げ句の果てには戦争まで起こそうとしているじゃないか!』
『なるほど。だが、過ちを犯したのはパラスも同じこと』
声は嘲笑うかのように嘲笑した。
「大丈夫ですかー?」
前を見るとフラットたちがこちらに向かって叫んでいた。どうやらタクトだけがひとり立ち止まってしまっていたらしい。
「あ、ああ」
あどけない返事をし、三人の元へ走って行った。
「こんなに大きかったのねー!」
タクトの右側でパールが感嘆の声を漏らしていた。図書館に来たことがあるのはフラットだけだった。
図書館の玄関口には地面から天井までを支えている白く太い柱が左右に三本ずつ並び、その柱の中心には沢山の人々が出入りしやすい程の大きさの入り口があった。さらに、その入り口の上部には不死鳥のエンブレムが飾り付けられ『パラス王立図書館』と誇らしげに堂々と刻み込まれていた。
「・・・パラス王立図書館」
「やっぱ出るのも入るのも魔導師ばっかだなー」
ウェドは全身からだるそうな雰囲気をかもし出していた。
「難しい本なんて、魔導師の中でも頭の良い人しか読みませんよ」
「でも、本当に『勇者の血』なんて何かの本に書いてあるのかな?」
「とりあえず、入ってみましょ」
パールが三人の背中を押すように、少々強引に図書館の中に入れた。
図書館の中は想像通り、天井は高く、本棚がびっしりと立ち並び、玄関口で見た柱とほとんど同じ形をした柱が本棚に負けじと同じくびっしりと建物の端の方に並んでいた。床には、パラスを象徴する不死鳥が紅い炎を体に纏い、翼を左右に美しく広げていた。手に入れた『木彫りの不死鳥』の顔によく似ている。
「そろそろ探さなくていいの?」
パールが痺れを切らした。
「そうですね。三階・・・くらいですかね?」
三人は最上階である三階へ上っていった。
「三階にはほとんど人がいないな」
タクトが不思議そうに呟いた。
「はい。三階は主にパラスの逸話や伝説が書かれた本ばかりがありますから、勉強にならないんですよ」
と言いながら早速本棚を調べ始めた。
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