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檸檬哀歌??

[113]  なお  2008-12-23投稿
どんなに想っても報われぬ痛みは甘酸っぱい。
まるで檸檬の様に。

「わかってる、だから…」
「だから何なのよ」
沙笑は怪訝そうに猛を見る「俺がネガ取り返してくる」「出来るのあんたに?」
下を向いていた猛が顔を上げてまっすぐ見つめた。
「出来る」
「わかってた。信じる」
「玲…」
沙笑は納得してないけど、私は猛を信じてみようと思ったのだ。

「じゃぁ、また連絡する」
そう言って猛は帰った。
「あいつ忘れもの」
沙笑はそう言って猛の後を追い掛けていった。

「ちょっと!」
沙笑に呼び止められて止まる猛。
「タバコとライター」
黙って受け取り、
「玲を頼む」
と深々と頭を下げた。
「わかってるわよ。あんたこそ頼むわよ」
「わかってるよ。玲にあんなことした奴…殺してやりたいよ」
猛の神経な表情に沙笑は何も言えなかった。
「安心しろ、殺さない。ただ…それぐらい想ってる」
そう言って猛は後ろ向いて手を振り、帰っていった。

「玲…あいつ最低ではないかも」
「どうさたの沙笑?」
帰ってきた沙笑の様子がおかしい。
「猛って…」
「不思議でしょう?」
「うん」
「一緒にいてもだよ…」
泣き顔も心ない気持ちも…神経な表情も今まで見たことない一面。

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