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レイとの出会い。10代のえり。20

[427]  ユキ  2006-06-26投稿
《もうこの世にはいないけどね。》
あたしは直美さんのその言葉を思い出した。
ひどいよレイ…あたしを京子さんの身代わりにしたの…?
えりはその場にいても立ってもいられなくなり
思わず写真を持ったまま家を飛び出した。
《ひどい…ひどいよお…あたしはレイを…本気で愛してるのにぃ…》
一心に走るえりの目には涙がこぼれていた。

向かう場所は一つしかなかった。






『えり…』
裏口にいたえりにレイはとても悲しい表情をした。
えりはまるで小学生のように膝をかかえ泣きじゃくっていた。
『えり…こっちを見て?』
『………ひどいよレイ…』
レイはえりに近寄った。
そしてえりの頭をなでるが
『触らないで!!』
そう言ってえりはレイの手を振り払った。
こんな事は初めてだったので
レイは信じられないという顔をした。
『あたし…もうレイとはいられない…』
涙をふき
目付きがキツくなったえりはそう言った。
『どうしたいの?』
レイはえりを一心に見つめて言った。
どうかあの言葉だけは言わないでほしいとまさにそう言いたげな表情で…。
『あたしは京子さんの身代わりなの?』
『違うよえり…』

やはりえりはあの写真を見てしまったのか…。

『もうだめだよレイ…隠さないで?あたしは京子さんとレイが付き合ってた事知ってるんだからぁ…』
えりの目にはまた涙があふれてきた。
『うん…でももう…!』
『あたし家をでる』
レイは頭が真っ白になった…。
もはや今は何を言っても信じてもらえない。
えりの…好きにさせよう…。
『わかった…』
二人は目を合わす事をやめた。
続。

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