十字路とブルースと僕と俺 16
コタツには足が十本入り込んでいた。父、母、祖母、一番上の姉(出戻り)、おれの五人分の足が詰め込まれていた。
次の日には二番目の姉夫婦とその子女、父の妹夫婦も合流した。
五人とも酒にはどちらかというと弱くない方だった。特に祖母に至っては自他ともに認める大酒飲みで、いくら飲んでも顔色ひとつ変えず、さらにその飲み方ときたら、とても80歳を越える老婆とは思えないものだった。ハイペースで鬼のように酒を飲み干す。その姿はまさしく鬼婆…なんてことはないが、とにかく凄いということは間違いなかった。
二時間を越えても、三時間を越えても、宴は終わらなかった。今考えてみると、ああして家族が集まって酒を酌み交わすといったことはあれが初めてだった。
そろそろお開きにしますかという雰囲気がどこからともなく出はじめた午後10時頃、祖母がゆっくりと話し始めた。それは今まで滅多に口にすることのなかったおじいちゃんの話しだった。
次の日には二番目の姉夫婦とその子女、父の妹夫婦も合流した。
五人とも酒にはどちらかというと弱くない方だった。特に祖母に至っては自他ともに認める大酒飲みで、いくら飲んでも顔色ひとつ変えず、さらにその飲み方ときたら、とても80歳を越える老婆とは思えないものだった。ハイペースで鬼のように酒を飲み干す。その姿はまさしく鬼婆…なんてことはないが、とにかく凄いということは間違いなかった。
二時間を越えても、三時間を越えても、宴は終わらなかった。今考えてみると、ああして家族が集まって酒を酌み交わすといったことはあれが初めてだった。
そろそろお開きにしますかという雰囲気がどこからともなく出はじめた午後10時頃、祖母がゆっくりと話し始めた。それは今まで滅多に口にすることのなかったおじいちゃんの話しだった。
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