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十字路とブルースと僕と俺 17

[214]  ティシュー  2008-12-24投稿
「仗之助さんがいま此処に居たら、さぞかし喜ぶだろうねえ」
仗之助…。それがおじいちゃんの名前だ。おれが赤ん坊のときに亡くなっている。おれにおじいちゃんとの思い出はまったくない。ただ、一枚だけ一緒に写っている写真がある。満面の笑みで赤ん坊に頬ずりをするおじいちゃん。やられているのは猿のようなさして可愛くもないおれ。その写真と、仗介という名前の名付け親ということが、おれとおじいちゃんの繋がりだった。てか、ほとんど自分の名前じゃんって思わずにはいられないけど…。

「よく二人で飲みくらべしたのよ。若い頃にねえ。大抵わたしの圧勝だったけどねえ。フフフッ。仗之助さん、すごく負けず嫌いだったから、吐いても吐いても飲んでたわねえ」
おじいちゃんの話をしてる時の祖母はなんか恥ずかしかった。おじいちゃんのことを名前で呼んで、酒ではまったく変わらなかった顔色がほんのりサクラ色に色づいて、なんとなく話し方もいつものそれとは違っていた。

祖母はおれ達のリアクションを楽しみながらも、時に寂しそうに、時に少女のように、かつかつと話し続けた。たぶん祖母も酔っていたんだと思う。五人でビールと焼酎、それに「でんでん太鼓」という地酒をたらふく飲んでいた。そのほとんどが祖母の胃袋に収まっていたことは、誰の目から見てもあきらかだった。

そして、祖母の話はおじいちゃんの夢は、ということへ突入した。

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