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地下二階

[1082]  ちゃむ  2008-12-24投稿
「いや〜忘年会盛り上がったね!またやりたいもんだよ。」
「ははは。社長、もう二回目ですよ。さすがに三回目はね〜。」

新年会、忘年会、飲み会、打ち上げ…なにかある度にこのビルの十階の居酒屋にお世話になっていた。
なんといってもここから見える夜景は最高で、社長のお気に入りでもあった。
今日も忘年会が終わり、エレベーターの中で社長と盛り上がっていた。

「そういえば、奥さんとお子さんは元気かい?」
「ええ、相変わらず。子供のほうは年頃なのか、最近はあんまり口をきいてくれないんですよ。」
「まぁそんなものだろうな。娘は特にな」
「そうですね。あれ、社長今日は車ですか?」
「ん?いや違うがね。どうしてだい?」
「社長じゃないですか?地下二階押したのは?」

僕は一階に行くつもりだったが、なぜか地下二階のボタンが光っていた。

「あれ?私が押してしまったのかな?まぁ一階も過ぎた事だし、階段でのぼるかね。」
「そうですね。いい運動ですよ。」

…それにしても着くのが遅い。エレベーターはこんなに遅かっただろうか?
地下二階のランプがついているのに、一向にドアが開かない。

「…おかしいですね。社長、開くボタン押しても開かないですよ。」
「気味悪いな。非常ボタン押すか。」

社長が非常ボタンを押した。
…押せなかった。ボタンは固く、全く動かない。

「くそ!力が足りないか。」

…さっきからおかしいとおもっていた。
…エレベーターが動いている…?
ランプは地下二階のまま、エレベーターはたしかに下に降りている。

「社長…どういう事でしょう…」

僕と社長の顔が一気に青ざめた。
訳も分からずドアを叩いた。
ドアは開く気配もなく、どんどん下に降りていった。
「どうなっているんだ!いつとまるんだ!」


…その瞬間、エレベーターが一気に減速したのが分かった。僕も社長もホッと胸を撫で下ろす。

「…止まるのか?」
「…そのようですね。」
「やれやれ、良かった。どうなるかと思ったよ。それにしても…どこまで降りたんだ?」

そのとき二人は、地下二階のランプがつきっぱなしの事を全く気にしなかった。
そしてエレベーターは止まり、ゆっくりとドアが開く…。
…地獄のドアが…。
















「ヨウコソイラッシャイマシタネ」

感想

  • 12142: 見張りと同様…最高!! [2011-01-16]
  • 12143: また書いてよ!! [2011-01-16]

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