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16の差〜再手術(後編)〜

[285]  ミュウ  2008-12-25投稿
「手術の準備が、出来ました。」
「じゃあ、始めよう。」
「優美さん、何の匂いが、好きですか?」
「イチゴの匂いが、好き。」
「イチゴの香りが、しますよ。」
「ホントだ。」

先生の声や看護婦さんの声とかが、うっすらと消えてゆく。

……………‥‥‥……。

浩輔が、帰って来た。
優美の個室が、開いていたので、他の看護婦さんに聞いてみた。
「あの、すみません。楠木優美って言う名前の人どこに行ったか、分かりますか?」
「あなたが、楠木さんの彼氏さんですか?」
「はい。そうですけど。」「楠木さんね、今、手術をしてる所よ。」
「何でですか?」
「私にも、分からないけど‥。」
「楠木さん、もう、30分くらいになるわよ。
大丈夫だろうか?」
「失礼します。」


手術中って書いてある所を見ると、まだ、光ってる。
「もう、2時間になるなぁ…。」

………‥手術の中。
「血液が、足りない。」
「田辺くん、輸血。」
「はい。」

「看護婦さん、優美の手術は、成功ですか?」
「まだ、分かりません。」
そして、1時間になる。

「まだ、終わらない。」

30分、経った。

手術中って書いてある所を見ると、ランプが消えている。

先生が、来た。
その後ろには、優美が、運び込まれている。


「先生、優美は、大丈夫なんですか?」
「はい。大丈夫です。でも、意識が戻るか、私にも分かりません。」
「優美さんが、生きたいって思えば、意識が戻ると思います。」
「優美、しだいって事ですよね?」
「はい。そういう事になりますね。」
「ありがとう御座いました。」

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