air?
俺は帰るときも男のことを考えていた。 「お前他に覚えてないのか?」 ハウィーが質問してきたがやはり俺は何も思い出せなかった。 3人がしばらく歩いていると誰かが声をかけてきた。 「ねぇ君達、君達だよ。聞きたいことがあるんだが」 どこかで聞いたセリフ、あの男の声だ。俺は一気に緊張した。 「聞きたいことって何?」 ハウィーが男に言った。 「人探しをしているんだが…」と男は言ってフィーに視線をうつした。 「いや、探しているものは見つかったようだ。」 と男はつぶやいた。 「あんた誰なんだよ!」 俺は大きな声で男に言った。 だが男はそれを無視してフィーの腕をつかもうとした。 俺はとっさにその腕を払いのけフィーの手を握り走りだした。 しかしなぜか男は追ってこない。 「おい!何だよあいつら!?」 ハウィーが叫んだ。 後ろからあの男の仲間と思われる者が追いかけてくる。しかも1人や2人ではない。そいつらは真っ黒な鎧のようなものを身につけ腰には剣を下げていた。 俺達は必死に逃げた。しばらく逃げ続けてなんとか振り切ったようだった。 家の近くまでくると急いで中に入りカギをしめ、ついてい明かりを全部消した。 「何なんだよあいつら…」 ハウィーが息を切らしながら言った。 「知るかよ…何でフィーを探してるんだ…」 俺も息を切らしながら言った。 「…フィー、あいつら誰だか分かったか?」 俺はフィーに聞いたが何も答えない。フィーは下を向き、目をつぶり震えていた。 「フィー…大丈夫?」 俺はフィーの頭に手を置き優しくなでた。 しばらくするとフィーは落ち着いた。
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