時を感じて 『動く心』 (3)
高校生活も今日で二週間目に突入。
まあ最初の頃よりは、皆クラスに馴染んできたのかなって感じ。
二週間経った今でも、相変わらず恵梨は俺にずっと着いてくる。
最近では登下校時まで俺のことを待ち伏せしてるみたいだし。
あいつ、俺以外に友達いねぇのかな…。。
七限目が終り、ホームルームが始まった。
担任がつまらない話を長々と喋っている。
「シュン」
後ろから小声で恵梨に呼ばれた。
「なに?」
「今日も一緒に帰ろーね」
「好きにしろ」
俺はそれだけ言うと、またすぐに前を向いた。
(ちょっと、言い方キツかったかな…)
妙な罪悪感が湧き出てきたが、とりあえず今は放置。
そしてホームルームも終り、皆が帰り始める。
俺は下駄箱で恵梨を待っていた。
「やめてください!」
突然、三年生の下駄箱のほうから聞こえてきた悲鳴混じりの声。
聞き覚えのある声だった。
「恵梨?」
恐らくナンパをされていたのだろう、恵梨が三年連中に強引に絡まれている風景が瞳に映った。
「恵梨に手出さないでもらえますか?」
「…シュン」
「はぁ??
てかお前誰?」
「俺、恵梨の彼氏です」
………
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