黒髪の少年は?−7
「典韋、お前もずっと人を殺して来たんだろ?分かるだろ?楽しいよなぁ、愉快だよ…触れたいなぁ、あの血だまりに…口に入れたいよなぁ、あの破片を…あはははは」
賭けをしようか。
豪雨の中、誰の声も誰からの声も届かないここで
コイツはずっと含み笑いをしながら舐めるように肥溜めだったの壷の中を見た。
河はもうすぐ溢れだす。
俺は剣土からコイツを引きはがした。
俺はそれを引きはがした瞬間、叫ぶように消えたアイツを横目に…
友達の死体を4つ、見せられた剣土を振り返った。
「――――――――――!!」
凍りついた体と、目には、涙と。
悔しそうな表情が見えた。
「―みねちゃん―りゅうくん―ゆうくん―――サキせんせ――」
彼は立ち上がり、俺を見た。
土と涙でぐしゃぐしゃで、直視できなかった。
「てんい………!あぁあ……」
すがるように俺の足元にしゃがんで。
「うあぁあああ…あああああああ………うわあぁああああああああああ!!!!!」
爆発するように、泣き叫んだ。
剣土は魂を引きはがしても、息をして、泣き叫んで、生きている。
俺はほっとしていた。
俺に体があったなら吐き気がする位の気分の悪さを押さえて胸を撫で下ろす。
もっとも、体があった頃は幽霊や生まれ変わりがある事など知らなかったし、笑っていた訳だが。死んで幽霊になった時は、これからどうしよう、成仏するには何をすればいいんだと不安だった。それに、まだ生きたかった。
俺はこいつの守護霊になってから死んで良かったと思う事が増えた。
こいつを守る為だ。
…早くアイツを殺していれば、…こんなに泣かせずにすんだのに。
豪雨の中、剣土の泣き声は響く。
河から溢れだした水が、正面にある壷の中に流れ込む。
溜まった水は赤く染まり死体を覆おうとしていた。
上を見上げると、傘をさした誰かがこっちに目を凝らしていた。
雨の音の隙間から僅かに剣土の声が聞こえたのかもしれない。
彼は恐らくそれが子供だと分かったのだろう、傘を投げ捨ててこちらに走って来た。
俺は、剣土に立ち上がるように促した。
賭けをしようか。
豪雨の中、誰の声も誰からの声も届かないここで
コイツはずっと含み笑いをしながら舐めるように肥溜めだったの壷の中を見た。
河はもうすぐ溢れだす。
俺は剣土からコイツを引きはがした。
俺はそれを引きはがした瞬間、叫ぶように消えたアイツを横目に…
友達の死体を4つ、見せられた剣土を振り返った。
「――――――――――!!」
凍りついた体と、目には、涙と。
悔しそうな表情が見えた。
「―みねちゃん―りゅうくん―ゆうくん―――サキせんせ――」
彼は立ち上がり、俺を見た。
土と涙でぐしゃぐしゃで、直視できなかった。
「てんい………!あぁあ……」
すがるように俺の足元にしゃがんで。
「うあぁあああ…あああああああ………うわあぁああああああああああ!!!!!」
爆発するように、泣き叫んだ。
剣土は魂を引きはがしても、息をして、泣き叫んで、生きている。
俺はほっとしていた。
俺に体があったなら吐き気がする位の気分の悪さを押さえて胸を撫で下ろす。
もっとも、体があった頃は幽霊や生まれ変わりがある事など知らなかったし、笑っていた訳だが。死んで幽霊になった時は、これからどうしよう、成仏するには何をすればいいんだと不安だった。それに、まだ生きたかった。
俺はこいつの守護霊になってから死んで良かったと思う事が増えた。
こいつを守る為だ。
…早くアイツを殺していれば、…こんなに泣かせずにすんだのに。
豪雨の中、剣土の泣き声は響く。
河から溢れだした水が、正面にある壷の中に流れ込む。
溜まった水は赤く染まり死体を覆おうとしていた。
上を見上げると、傘をさした誰かがこっちに目を凝らしていた。
雨の音の隙間から僅かに剣土の声が聞こえたのかもしれない。
彼は恐らくそれが子供だと分かったのだろう、傘を投げ捨ててこちらに走って来た。
俺は、剣土に立ち上がるように促した。
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