携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> ゴス☆ラバ?

ゴス☆ラバ?

[167]  ソウキュウ  2008-12-29投稿
その度に俺は抱きしめたくなった。
遅い夜食を済ませ、少しテレビを見る。キョンは俺の肩に頭を乗せた。俺の顔のラインに沿って流れるキョンの髪、耳元で安らかな寝息が聞こえた。俺はキョンを起こさないように抱き抱えて布団に連れていった。俺も彼女もお互い疲れてるのは一緒だ。

キョンが北海道に来てから殺風景な部屋が大分賑やかになった。ピアノはもちろん、楽譜や壁に架かっている何枚かの絵画、毎日芸術にふれることが出来る空間だ。布団はダブルを購入し、あとは日用品。二人が使うものは全て色違い。


そんな楽しい毎日でも俺は唯一悩んでることがある。

それは…

結婚指輪を渡すタイミングだった。

キョンには内緒で指輪はもう買っていた。
俺の精一杯の気持ちなんだけど結婚を前提に同棲したとはいえ、これを渡すタイミングがなかなか来ない。いきなり仕事から帰って
「はい、これ。結婚しよう」

なんて事にはならない↓↓
グダグダな俺。
(キョンはひょっとしてあの言葉を待っているのでは)
と変な想像を膨らませ、自分を焦らせてしまっていた。

でもそのタイミングとやらはすぐにやってきた。

俺は仕事でミスをしてしまった。
職場の皆に迷惑をかけ、こっぴどく上司に怒られて減給か否かまでの話をされた。いつもの残業は俺だけにはなく、定時で帰るよう指示された。
会社ってミスをすると信頼を回復するのに凄い努力と時間が必要なんだ。
自分がミスをしていつもの扱いをされない事って周りから取り残された感覚になる。村八分(?)。絶望感と孤独感を味わいながら車を運転し、視界が涙で滲んだまま職場を後にした。

アパートに着いた。
足どりは鉄球を付けたかのように重い。
滲んでいた涙を服の袖で拭い、鍵を開けて部屋に入る。

「ただいま」

テンションが低い俺にキョンが反応して玄関にくる。

『あら、おかえり。…どうしたの??何かあった??』

心配してくれるキョンを目の前で俺は泣き崩れてしまった。



続く

感想

感想はありません。

「 ソウキュウ 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス