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指先の感触

[165]  ふく  2008-12-29投稿
あなたの背中を腕を顔を指でなぞる
それにあなたが少し嫌そうな表情をする

少しくらい許して
せめて指であなたを覚えていたい
背中の温かさを
腕の血管の位置までも
顔の形を

こうして居られるのも次は無いかもしれないから

あなたの細部まで覚えていたい
そう思うのはきっと私だけ
寂しさは我慢するから
こうする事しか出来ないから
どうか許して

記憶の中で生き続けるあなたに
後何度触れる事が出来るだろう

寝息を立てるあなたを見て悲しくなった
朝が来ればまた別れが来るのに
あなたはいつも私よりも先に寝てしまうから

私はいつも怖くて眠れないのに

隣で涙を流してもあなたは気付いてはくれない
気付かれてはいけないからあなたの目の前では涙は流せない

あなたよりずっと後に寝てしまうから
目を覚ますのはあなたの方が先
私が目を開ける時はもうあなたは隣にいない
眠ってしまった事を後悔する
眠らずに朝を迎えれば良かった
少しの振動にも気付けなかった事を涙のせいにする

カーテンは開かない
朝日が嫌い
またこうして未来の無い毎日が広がるから

あなたを愛する限り
不安と隣り合わせで生きて行く

毛布にくるまりまた泣いた
寂し過ぎる
愛し過ぎる

だから覚えていたい
私はこうして孤独になるばかりだから

一人じゃないと少しでも感じたい
残されたのはあなたの居た温もりと指先の感触
忘れてしまう前に
また私の処へ来て

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